今から考えると、
「何で?」
「信じられない!」
「見る目、ないんじゃないの?」
と、普通に思ってしまうと思いますが、
それは実績を知っているから言えることであり、
それがない時点では相当に勇気が要ります。
「売れる」とは思っても、不測の事態の可能性も
あって、「絶対に」とまでは断言は出来ません。
また、新しいことは
「実績がない。」
「そんなんで売れたものはない。」
と言われがちで、「ナナシー」の開発は何とか
進められたものの、販売時点では、開発企画室内で
上記のような反対意見が続出しました。
「実績がない。」
「そんなんで売れたものはない。」
という意見は、多分、どの業界でもあると思いますが、
新しいことをしようとする時に、必ず周囲から湧き出す
呪文のようなものです。
「ドンキホーテ2」のスペックについても言われ、
「再抽選」搭載の際にも言われました。
その「ナナシー」、表示上で2つの新しいことを
していたんですね。
ヒントはこれらの画像ですが、おわかり頂け
ますでしょうか?
「当時としては」、実績がないという部分です。
2021.9.20
実際のことを言えば、
「実績がない。」
「そんなんで売れたものはない。」
というのは、本当の理由ではなく、ある人に
とっては通しやすそうな反対理由に過ぎなかった
と思います。
本当の理由は、開発室内の主導権を失いたく
ないという部分だったでしょう。
後々、液晶画面開発者が開発の主導権を握って
いくようになるのですが、当時はまだカラー液晶が
登場し始めたばかり。
ですので、自分が開発にタッチしていないカラー
液晶機などは、自分にとって何の役にも立たない、
潰した方が得策という考えを持つ人もいたと思います。
会社全体のことなど何も考えていませんが、
通りやすいと思ったものを言っているだけの
ため、論破はさほど難しくありません。
厄介だったのは、本気でそう思っている人
でした。
これは、本当に厄介です。
本質的な部分の説明をし、だから大丈夫と
言っても、「実績がない」の一点張り。
連続予告の本質的な部分は一緒でも、表現の
仕方が違うから別アイディアと主張した方です。
特許申請もそっちの方を主軸にしてしまって
有効特許にならなかったんですが。