「横スクロールしている台で売れた台は
1つもない。そんな台は売れない。」
に続く、もう1つの課題とは、
「3図柄構成ではなく、6図柄構成」
という部分で、これは確かに問題だったんですね。
というのは、この表示を考えたのはパチンコを
しない開発者でしたので、当初の変動方法は
①6図柄が高速変動開始
②1つ目止、2つ目、3つ目・・・、5つ目と順番に
ゆっくり停止していき、最終的に上1段が揃い、
4番目と5番目が同じだったら初めてリーチアクション。
というものでした。
パチンコを打たれる方のリズムは、
①高速変動開始
②第2図柄が停止した時に第1図柄と同じだったら
第3図柄でリーチアクション
というものです。
リーチにならなかったら、すぐに次の高速変動を
見るボーっとした時間が始まります。
緊張を解くことが出来ない時間が多くとなると、
疲れ切って長く打てません。
ですので、パチンコは、
①リーチになるかならないか
②リーチになったらそれが熱そうなのか、
そうではないか。
③熱そうとわかって初めて力を入れる
というのが打つ側の基本パターンとなります。
で、その担当者に
①上段が揃ったら、下段1つ目で軽いリーチアクション。
②下段2つ目の停止図柄で当たらないことがわかれば、
下段3つ目の図柄は即停止
という変動方法に変えてもらいました。
リズムは3図柄構成のものと同じで「これで」と
思ったんですが、今度はゲージ担当者からクレームが。
2021.10.4
開発だけでも本当に難産でした。
そして、販売できる状態になった時にまた
クレームが出て「お蔵入り」になってしまいます。
ただ、6人いた企画担当者の中で、1人で踏ん張っても
なかなか通すことは出来ません。
もう1人、同調してくれる若い人がいたんですね。
彼もパチンコが大好きでしたので、よく理解して
くれました。
他は表示・デザイン関係の責任者ですが、彼は
自分の担当機種のために連続予告のノウハウを
外部に漏らす等、唯我独尊の方です。
そして、ゲージ担当者は2名でしたが、液晶時代を
迎えつつある中、自分の立場を守るのに汲々。
最後は一番年長のまあ開発室の次長的な方。
ただ、年を取っているからその役というだけで、
みんなの顔色を窺いながら当り障りのないことを
言っているだけでした。
もう少しまともな構成だったら、スムーズに
開発が進み、すぐに販売されていたと思います。
でも、こういう構成は世の中の縮図のような
気もします。
適材適所なんてそうそう実現しないです。
まあ、20mの曲がりくねったラインのパットが
入るようなもので、運も必要になります。
そして、その運は、神、或いは大いなる存在の
意思と考えざるを得ない時も、ままあります。
いろんなことを経験しますと。