表示上の論点もありましたが、ゲージ担当者達
からのクレームとは?
これが開発途中でも問題となり、そして、各都道府県
公安委員会の検定を通っても発売を見合わせることと
なった1番の理由だったろうと思います。
当り確率が甘かったんですよね。
「ナナシー」の当り確率は「1/158」です。
「ナナシー」の属する「一般電役機」の当時の主流
スペックは、出玉約2,400個弱、確率1/200をやや
切る程度というものでした。
「ナナシー」のすぐ前に大ヒットした「ドラゴン
伝説ZZ」は当り確率1/191、出玉約2,350個です。
この機種が大ヒット御礼中ですので、ここから
大きくいじる必要はなく、同程度にした方が
販売上も有利です。
「スペックはそのまま、表示はより面白く、
より楽しく」
とかの宣伝文句を使えます。
ですが、当時の表示図柄の規定により「ナナシー」は
「1/158」よりも辛く出来なかったんですね。
その確率に合わせて出玉を減らすという選択肢も
ないことではないですが、当時は無定量制ではなく、
ラッキーナンバー制が主体。
ですので、1回当たっても1,800個(換金して
4,500円)では、受け入れられない、ホール側も
購入してくれないことは予想できました。
-最終話に続く-
2021.10.17
表示を作成した担当者はパチンコをしないと
以前書きましたが、パチンコの規則書も読んで
いなかったんですね。
ですので、知っていれば当然ケアすべき部分を
スルー。
その部署のチーフを含めた周りの人間もスルー。
一方で、確率がどうのこうのと言って来た
ゲージ担当者にしても、実は彼らとさほど
変わりありませんでした。
最低、出玉がどんだけあって、どんな営業形態で
連チャン率はどれだけというデータが確率設定時
には必要となります。
でも、当時のその会社のゲージ担当者は計算なんて
一切せず、5台ほどの試験機を1日10時間作動させ、
割数(詳細説明は省きます)を見ているだけ。
信頼できるだけのサンプル数には程遠い
少サンプルを元に確率設定をしていました。
そのため、もっと確率の低いCR機:確率変動機
登場時にはめちゃくちゃな確率設定をしようと
してしまったんですね。
そんな両者の間に立ち、パチンコ台を完成させ、
公安委員会の認可を取るまでにするというのは、
そりゃ今思っても大変な作業でした。
それを入社2,3年の30代の人間がやってたん
ですから、古くからいた社員はさぞかし腹が
立ったことだろうとは思います。
陰で相当、言われてたでしょうねえ。