②走力トレーニング
大学以前
まず「ランパス」。
ラガーなら誰しも経験のあるトレーニング
でしょうけど、これが本当にきつくて。
40年以上経った今でもこの言葉を聞くだけで、
絶望的な感情が沸き上がってきます。
典型的なスタイルは、
数人が横一線に並び、100mをパスしながら
全力疾走。これを10本ほど。
というものです。
トレーニングの内容としては、100m×10本の
インターバルトレーニングとほぼ変わらないです。
異なるのは、足の速い人ほど楽で、遅い人ほど
きついという部分です。
ほぼ横一線で走りますので、足の早い人は
ちょっとセーブしながら走ることになります。
そして、インターバルの間隔は、余力のある
足の速い人基準です。
そのため、数人の中で一番足の遅い人は地獄です。
常に全力走で、十分なインターバルもなし。
新入生の「練習がきつくて退部」という場合は、
たいていこの練習が原因でした。
高校の同級生だった井上君もそうで、
死にそうな顔で走り、翌日、退部していきました。
社会人
10m、20mのショートダッシュ。
筋肉の特性と特性に応じたトレーニング方法
ということを教えてもらいました。
ラグビーで一番大事な走力というのは、
瞬発力、超短距離のダッシュ力です。
止まっていたり、スピードが落ちている時に
相手とぶつかったり、相手を脇をすり抜けよう
とする時は、100mの速さより、5mの速さです。
そして、それを鍛えるためにはランパスではなく、
ショートダッシュが大事だと。
更に、ショートダッシュは「速筋」を鍛えるために
行うけど、1本1本十分な間隔を空けてやれと。
例えば、脈拍数を測って乳酸値がある程度
戻っているのを予測しながら次のダッシュをしないと、
トレーニング効果が出ないと。
このトレーニング、時間が必要ですが、
キツいはキツいもののインターバルが長く、
死ぬほどキツいというものではなかったです。
「つらければつらいほど、苦しければ苦しいほど
トレーニングの効果が出る。」
ということがウソだったことを知った瞬間でも
ありました。
2021.7.14
もちろん、100mも速く、5mも速いというのが
理想です。
でも、5mがメチャ速い人は100mも相当速いです。
逆に100mの速い人が5mも速いかと言えば、
カール・ルイスとベン・ジョンソンの違いを
考えれば、ご理解いただけるかと。
カール・ルイスはトップスピードに乗ってから、
そのトップスピードの維持時間が長かったので
あり、5mが早かったわけではありません。
ラグビーに向いているのは、スタート
ダッシュ力のあるベン・ジョンソンの方です。
また、ランパス。
上級生になると楽だったんですよね。
遅い下級生のスピードに合わせられますので。
でも、上級生にとってはたいしたトレーニングに
ならず、効果がありません。
トレーニングという名の単なる下級生しごきです。
一方でゴルフ。
実戦ではショット間の間隔は長く、筋肉が
十分休まった状態でショットをします。
従って、飛距離を目指すのであれば、
練習場でパカパカ休みなく打つより、
休みながら間隔を空けて打つ方が効果的
だと思います。
休みなく打ち続ける場合は、かえって遅筋が
鍛えられてしまい、きつい思いをしてるのに
飛距離を落としている可能性があります。