だが、もしその人が、
その試合で3位以内の入賞が至上命題
だったらどうだろうか?
例えば、ここで
3位から上の賞金を手にできなければ
来年のシード落ちが確定するか、
あるいはその可能性が濃厚
という人の場合である。
プロごるふぁ~にとって、
シード権の有る無しは、
まさに天国と地獄。
来年、ほとんどの試合に出られるか
失業かでは、えらい違いである。
こうした足かせさえなければ、
優勝目指して池越えまっしぐら、
そして願わくば1度、
たったの1度でもいいから、
大きな優勝トロフィーに抱き付いて
接吻でもしたいところだろうが、
逆の目が出たのでは一気に奈落の底。
ここはやはり、ジッとこらえて
ギャンブルは自重するのが普通のはずだ。
さて、悩ましい池を目の前にした時の
プロごるふぁ~の心理を学んだところで、
話を再び 「ティン・カップ」 のクライ
マックスシーンに戻そう。
主人公は、
最終日の18番ロングホールのセカンド地点で
思案の挙げ句、フェアウェイウッドを選んで
イチかバチかの池越え2オン狙いに出て失敗した。
この1発を池に沈めた時点では、
1ペナを払って池の手前まで進み、
次を4打目としてもまだ2位の選手に勝てる
状況だった。
だがその男は、池の前まで前進することなく
同じ地点からの打ち直しに挑んで、再び池。
2連発はさすがに大きなダメージになったが、
まだプレーオフに持ち込める可能性が
残っていた。
それでも主人公は、次も同じ地点からの
池越えに挑んでまたまた失敗。
そして4発,5発,6発・・・、
ボールはことごとくグリーン手前で失速し、
水しぶきを上げた。
2019.5.13
ここが実はこの映画の最後につまらなく
なった所で、何を描写したかったのか?と。
ほぼ勝てるという状況を18番までに作って
しまった以上、こうでもしないと劇的に
ならないということはあるかもしれません。
でも、大逆転負けのストーリーはやっぱ、
面白くないなあという気がします。
それも、全力を尽くして戦って
というのではなく、
「お前、アホなん?」という展開で。
ゴルファーとしても嫌ですね。
ゴルファーはそうしがちと思われ、
「なっ、ゴルファーってバカばっか。」
と言われかねなくて。