仮に100歩譲って、
こういうパフォーマンスを認めたとしても、
この映画が決定的に頂けないのは、
ごるふの本質を見誤っている
という点である。
やり投げやハンマー投げじゃあるまいし、
どれだけ飛んだ、飛び越えたを競うのが
ごるふではないはずだ。
そりゃあ、
奇跡的なスーパーショットが決まれば
腰が抜けるほどの快感が得られるに違いない。
しかし、そんなところだけにこだわり続けて
ごるふに男の夢やロマンを求めようと
している限り、
いつまでたっても鼻タレ小僧の球遊びから
卒業できないことを知るべきである。
日本のごるふ映画では、武田鉄也が
監督・主演を務める「織部金次郎」の
シリーズがある。
妙な哀愁を感じさせはするが、
それ以外は見ていてちっとも面白くない。
「ティン・カップ」にしても
「織部」にしても、
所詮はごるふの素人がこしらえた作品。
こんなのを見るくらいなら、
つい先日行われた第101回全米オープン、
最終日の18番グリーン上で起こった
人間ドラマの方が何百倍も面白い。
2019.5.15
パチンコの話になりますが、
昔は海物語とか、麻雀物語とか、
オリジナルモチーフが用いられていました。
が、多くの人に思い入れのあるモチーフが
使用されるようになり、大ヒットします。
北斗の拳だとか、ルパン3世とかであり、
大ヒットしたが故に、そういう版権の
争奪戦が始まりました。
版権を使うと、
興味を持ってもらいやすくなります。
新しい映画を作るよりも、
大ヒット作の続編の方がヒットしやすいのと
同じ理屈です。
そして、それぞれの登場人物の個性故に、
演出面も格段に進歩していきました。
が、それまで売れていたメーカーの
特に映像担当者は
「版権なんて不要、オリジナルで十分」
と主張し、空前の版権競争が始まって
いることにすら気付きません。
気付いている他の社員の意見を
押さえこむことに全力を尽くしてしまいます。
ようやくその必要性を理解できた時には
既にめぼしい版権は全て他社に。
で、版権が厳しいならアイドルとかで
という話が出ます。
後に、三洋の海物語で採用され、
大ヒットすることになるアグネス・ラム
なども検討されました。
ところが、先の映像担当者は
「中山きんに君」を推します。
「絶対にブレイクする。」と。
きんに君が知らぬ間にアメリカに
行ってしまうと、次に出てきた名が
「磯野貴理」。
ご両名には申し訳ないけど、無理です。
そして、そうこうしているうちに、
アグネス・ラムらも他社から出て
しまいます。
ならばと願い出て獲得した版権が
深夜アニメのもので、一部の方しか
知らない版権。
版権を使用する理由からすれば、
ヒットするはずもありません。
結局、本質を理解できていないと、
成功には結び付きませんし、
それが業績のかなめ部分であると、
その判断ミスは会社の転落に直結します。