ごるぴー商会:あぁ、ごるふがしたい・・・・
↑昨日の続きです。
プロ入り後しばらくの間
うだつの上がらなかった青木功は、
満足に練習できる環境を持っていなかった。
ある日、どこかの練習場の支配人と
知り合いになり、会話の中で青木は
思わず口走ったそうだ。
「ごるふがしたい。
ごるふだけをしていたいんだ。」
”ごるふだけ!” とはずいぶんと
贅沢な注文だが、これぞまさしく、
魂の叫び。
これを聞いた支配人は、
私の所で良かったらと申し入れ、
青木は好きな時に好きなだけ球を
打つことができるようになった。
芝の上でクラブやボールと
格闘しながらコースに真剣勝負を
挑むのは、実に楽しい。
しかし、普段の練習そのものは、
少々苦痛である。
そのせいかどうかわからぬが、
私は朝から晩まで
球を打ち続けたことはない。
そこそこ球を打ち終えて
練習場をあとにしたのちも飽き足らず、
その足で別の練習場に出向いて
ハシゴしたことは過去に何度かあるが、
さすがに、ずっと球を打ち続けるのは
容易なことではない。
自分自身の体力からしても、問題が多い。
飽きずに毎日毎日練習に励むことができる人
というのは、やはり我々のような凡人とは
異なる人種なのかもしれない。
だが、稀にではあるが、私も練習場で
えらく絶好調な日があったりする。
自分がこれまで求め続けてきた
イメージ通りのスウィングが
苦もなく繰り出され、それに
呼応するかのように、申し分のない弾道が
おもしろいようにポンポン飛び出すのだ。
時計に目を移すと、夜の9時や10時である。
こんな時は、ひと晩中球を打ち続けていたい
と本気で思ったりするものだ。
過去の経験では、とにかくフトンに入って
眠ってしまったらおしまい、次の日には
元の木阿弥となることがわかり切っている。
だからこのままずっと、何も考えずに
朝まで無心で打ち続け、今のスウィングを
身につけてしまいたいと強く願うのだ。
しかし、24時間営業の練習場でなし、
後ろ髪を引かれる思いでクラブを
バッグに収め、家に帰って一夜を
過ごしてみると、やっぱり思った通り。
まったく、ごるふは難しすぎる。
2018.5.26
書き方とは裏腹に、
ごるぴーさんも重度の子羊症候群でしたね。
練習場を梯子するんですから。
ただ、この病気、治療方法はないそうです。
上手くいかなければいかないほど
練習に励んじゃいますし、
上手くいけばいくほど嬉しくなって
更なる高みを目指してしまいますので。
痛み止めをひじに打ってもらって、
練習をされている子羊も、いくらでもいます。