ごるふ場では、えり付きシャツの
着用が義務付けられているが、
これに反発する人は多い。
ファッションは自分の趣味の範疇に
属するものであり、個性を主張する
ための手段でもあるのだから、
何を着ようとこっちの自由だろ!
という声がそこら中から聞こえて
きそうだ。
お気持ちは、ごもっとも。
しかし、以下のような歴史話を
一応知っておいて損はないと思う。
ゲームとしての体裁が整って以降、
16世紀に入ってから急速に普及
し始めたごるふは、その後次第に
紳士と淑女の社交場となっていった。
ごるふ場はすなわち公の場であり、
老若男女を問わず、正装で登場する
のが礼儀とされていた。
スーツを着込んだ人がごるふを
している古い写真や絵をご覧に
なったことが、1度や2度はあるだろう。
よくそんな格好でクラブが振れた
ものだと感心したくもなるが、
少なくとも今世紀の初頭までは、
ごるふをする時はこの服装が常識
であり、伝統だった。
19世紀の終わり近くになって、
ごるふはアメリカ大陸に上陸を果たす。
わずか10年ほどの間に、ごるふ場は
信じられないくらいの勢いで造成され、
プレーを楽しむ人が激増した。
しかし、夏でもセーターを手放せない
スコットランドとは、気候が根本的に
異なる。
背広姿でのプレーは、真夏のフロリダ
やカリフォルニアの大地では非常に
過酷な試練だった。
そのため、必然的にスーツやネクタイは
姿を消し、シャツも半そでに変化して
いった。
そんな人々に対して全米ごるふ協会は、
せめてえりだけは残せ、と指導した
という。
それが、悠久の歴史と伝統を誇る
ごるふに対する畏敬の念だと主張し、
これを徹底させるために、1927年に
「服装規定」なるものを制定した。
ここまでの話でおわかりの通り、
今のごるふ場が「えり付きのシャツ!」
などとうるさいのは、こうした歴史的
背景を踏襲しているからである。
だが、それでも納得しない人は
きっと多くいるに違いない。
そんな古臭い話をいつまで
引きずるつもりなのか、
ごるふが広く大衆化している中、
時代錯誤も甚だしい
とお叱りを受けそうであるが、
もう少し続きを聞いて頂きたい。
つづく
2018.9.9
ごるぴーさんがどこでこの話を
仕入れたのかはわかりません。
ただ、ゴルフがアメリカに行ってから
多くのことが変わったという話は
聞いたことがあります。
そのため、ありそうな話だなと
思っています。
来場される時はゴルフウエアでも
お風呂上りにジーンズだとか、
Tシャツになってしまうお客様が
たまにいらっしゃいます。
そんな時は、
「申し訳ありませんが、次回からは
そのような服装はご遠慮ください。」
と、私は伝えていますが、正直、
別にいいじゃんと心の中では思っています。
そんな私でも納得のいく話をこのつづきで
読んで頂ければと思っています。