フォーム写真も見ましたし、
スコアも見ており、ごるぴー氏は
お上手なゴルファーになられた方です。
でも、やはり当初は苦労されたようです。
新しいアイアンを導入した翌週、
3度目のラウンド機会を得た。
前回が114だったので、新しい武器を
手に入れたことで更なる飛躍を期待し、
鼻息を荒くしながら臨んだのだが、
結果は112だった。
¥98,000 で2打を購入したようなものか。
(注 直前に購入したアイアンセットの値段)
ちと高いような気もしたが、
すぐにいい結果が得られないところが、
ごるふのごるふたる所以でもある。
今後に期待ということにしておこう。
さて、そろそろ本格的に
ドライバーの練習でもしてみようか。
せっかく高い金を出して買った物を
いつまでも放置しておくわけにもいかぬ。
打席に立ち、思うままにブンブン振って
球を打ってみた。
これが信じられないほどよく曲がる。
いつも利用している練習場は非常に狭く、
打席から正面のネットまでは
100ヤードほどしかないのだが、
ドライバーを一閃して繰り出されたボールには
激しいスライス回転が与えられ、
ネットに当たる前にほぼ直角に近く曲がった。
この頃は、スウィングのメカニズムを
十分に理解していなかったので、
これほど激しく曲がる理由が
サッパリわからなかった。
おかしい。一体何が悪いのだ?
ふと見ると、打席の後ろで1人の男が
腕組みをしながらこちらの様子を
にらみ付けているではないか。
失敬な奴だと思ってよく見てみると、
練習場の支配人である。
彼はレッスンぷろではないようだが、
顔見知りの人にはレッスンをしている光景を
何度か見たことがある。
実際に球を打たせてみても、
かなり鋭い打球を放つ。
場内で目を覆いたくなるほどのスライスを
連発するふとどきな輩を発見して、
観察せずにはいられないといった様子が
ありありとうかがえた。
視線を気にしながら打ってはみたものの、
打球は100ヤード先のネットではなく、
右サイドのネットを直撃する。
恥ずかしさの余り、穴があったら
入りたい心境だった。
かといって、ここでやめてしまっては立場がない。
おそらく彼は、自分のスウィングの欠点など
すべてお見通しに違いない。
思い切って助けを求めてみるか?
しかし、あの男とはこれまで
1度も口をきいたことがない。
自分にも一応プライドがある。
知らない男の教えなど、
乞うわけにはいかぬ。
結局その日は、最後まで直角曲がりの球を
打ち続ける羽目になった。
2018.3.21