ごるぴー商会より:初心者ごるぴー氏②
『人の不幸は蜜の味』
初心者ごるぴー氏が初めての練習場で
どんな苦労を味わったのか。
ご興味ある方も多いと思いますので、
連投です。
2階打席のフロアに立った。
なかなかいい眺めである。
(注↓ もらう約束になっていた)
ハーフセットを引き渡された。
どれもグリップがすり減ってツルツルだということ、
5番アイアンのシャフトが若干湾曲していること、
キャディバッグは自分で買うべきだ
ということなど、ひととおりの説明を受けた。
じゃあ打ってみよう、ということになった。
N師匠のご指示は9番アイアンだった。
なるほど、何発か打ってみて、馴れてきたら
7番、5番と上げていけばよいのか。
そこそこ自信はあった。
別に運動神経が鈍いわけではない。
どのスポーツもだいたい
そつなくこなしてきたつもりである。
野球だって、子供の頃は好きでよくやったものだ。
止まっている球を打つことぐらい、造作もない。
もちろん、いきなりバカスカ打てる
とは思っていなかった。
しかし、一応ヘタはヘタなりに打てるであろう
という、自分なりのイメージがあった。
打った。
激しく右へ飛んだ。
飛んだというより、右へ行った。
何発も続けて打ってみた。
全部右ナナメ45度へ行った。
手が痛かった。
師匠の診断は、インパクトの時に
フェースが極端に開いている、ということだった。
その処方箋は、とにかく腕を速く振れ、だった。
思い返してみると、実はどれも皆シャンクだったので、
診断は当たってはいなかったのだが、その時はシャンク
という用語があることすら知らぬ。
黙って師匠のお言葉を信じるよりほかにない。
そのあと、いくら打っても症状がおさまらない。
当たり前である。
ごく希に真っ直ぐ飛ぶこともあるのだが、
続かない。
次に真っ直ぐな球が出るまでには20発~30発、
50発待ってもダメなこともあった。
師匠は『もっともっと腕を速く振れ』と言いながら、
隣の打席でドライバーを打っていた。
収拾がつかぬまま、適当なところで打ち止めとなった。
最初に抱いていたイメージが、
ガラガラと音を立てて崩れ去った。
この時すでに、
人生最大の屈辱感にどっぷりつかっていた。
あまりのショックに、
呆然と立ち尽くす以外になかった。
これが小さい頃から憧れていた
ごるふの正体だったのか?
指定期日まで、21日しか残っていなかった。
やめようかと思った。
2018.3.30
私は『全く当たらない』
『指の皮が破れ、破れた所からリンパ液が出てきた』
ぐらいしか覚えていません。