さて、ここで選手交代。
B君がおもむろにドライバーを手に取り、
A君に代わって打席に入ったのだ。
いよいよ師匠の出番である。
実はこのB君、さきほどから、
どう考えても的確とは思えない
アドバイスをA君に送り続けていたので、
私は内心、あまり期待できそうにないと
思っていた。
しかし、弟子の前ではビシッと模範を
示すのが師匠の務め。
一体、どんなスウィングを披露して
くれるのか?
彼の最初の一振りに注目だ。
すると・・・・、
私は一瞬、自分の目を疑った。
なんと、
A君とウリふたつのスウィング
だったのだ。
ん・・・? いやいや、違う、逆だ。
B君のスウィングがA君に似ている
のではなく、けなげなA君が、師匠の
スウィングを忠実に見習ってごるふを
勉強してきた結果、
その師匠にそっくりのヒドいスウィングに
なっていたのだ。
悪夢のようなデモンストレーションが
終わり、再びA君が打ち始めた。
それをしばらく見ていたB君、
終了間際にひと言おっしゃった。
「ウ~~ん、フォームは良いんだけどねぇ。」
2019.5.4
まあ、他人ごとではないし、
この2人が後に目覚め、
上手い方に教えを請い、今や、
クラチャンを争っているということも
あり得ないことではありません。
ただ、確かにひどいショットの方がどちらかと
言えば鼻高々な口調で初心者に教えている姿は
不思議なことによく見る光景です。
そして、その周囲が「大丈夫か?」と遠巻きに
心配している姿もよくある光景です。
また、明らかにダメだろうと思われる
スイングの方がダメなショットを連発
というのもよくある光景なのですが、
そう思われるスイングの方がナイスショット
連発というのも実はあります。
また、さほど悪いとは思えないスイングの
方が、あまり上手く打てないというのも、
よく見る光景でもあります。
一瞬のどこかが悪く、どこかが良いんでしょう
けど、一瞬ではそれを見極めるのは至難の業です。
打ってる本人も、教える側も
その理由がわかってないということは、
ゴルフの場合、結構あるような気がします。