ところで、
グリーン上のピンポジション1つで
難易度が大きく変化するところが、
ごるふの面白さの1つ。
状況によっては、ピンを狙って即死
というケースが頻発するから恐ろしい。
たとえプロといえども
安全確実に攻めるのであれば、
ピンポジションに惑わされることなく、
常にグリーンのセンターめがけて
ショットを放つのが常識的な攻め方
と言える。
勝利に貪欲なニック・ファルドは、
どうしたらもっと沢山の勝利に
ありつけるだろうかと考え、
熟慮の末に一計を案じた。
そうだ、あのベン・ホーガンに
アドバイスを乞うてみてはどうか?
善は急げとばかりに、ファルドはさっそく
ホーガンの自宅を訪れた。
この時のホーガンは、
とっくの昔に現役から退いていて
70歳近い老人になっていた。
年老いたとはいえ、
何しろ相手は無口で偏屈で気難しい男。
ファルドは、用意していた質問を
恐る恐る口に出した。
「どうしたらもっと多くのメジャー
タイトルを獲得できるでしょうか?」
鉄の仮面にシワを刻んだ老人は、
例によりしばし沈黙。
怖い顔でファルドをにらみつけていた。
はて、何か気にさわることでも言ったかしら?
ファルドは身をこわばらせ、
ドキドキしながら反応をうかがった。
すると、ようやく仮面の向こうから
短い言葉が飛び出した。
「ピンを狙って打つことだ。」
ファルドは一瞬、自分の耳を疑った。
目からウロコのお告げを期待していた
というのに、なんという素人的な発言。
いや、先生はきっと冗談をおっしゃった
のだろうと思い、
ファルドはニコニコしながら
もう1度丁寧に同じ質問を繰り返した。
すると、
「ピンを狙って打つんだ。
君はなぜピンを狙わないのかね?」
いやはや、恐れ入りました。
90年代を代表するスウィング・マシーンも、
元祖の前ではただの鼻タレ小僧に
すぎなかったというわけだ。
2019.4.14
ここまで引っ張っての挙句ですが、
このやり取りは私では理解できません。
左OBで左サイドにあるピンなんて、
私はよう狙えませんし。
「常にグリーンのセンターめがけて」
というのが結局、常に一番ピンに近づく
という話は聞いたことがあります。
わかる人は多分わかるんでしょうが、
レベルが違うとわからない話があり、
自分のレベルの低さを嘆くしかありません。
寄せですら、ピンを狙って
上についてしまうのが怖いんですから。