まあ、いつも面白いんですけど、その中でも
今年のキングオブコントは特に面白く感じました。
元々、キングオブコントは「わかりやすさ」という
点では小道具を使える分、漫才を扱ったM1よりも
笑いが伝わりやすいと思います。
また、M1は生放送ということもあって字幕がリアル
タイムで表示されず、笑わせる源である言葉が伝わら
ない場合があり、意味のわからない場合があります。
とりわけ早口でまくし立てるようなスタイルの漫才
も多く、余計にそう感じます。
一般的に、健常者は感覚情報の約80%を視覚から
得ているといわれています。
受け取りうる情報量を比較すると視覚は聴覚の
100倍、聴覚は触覚の100倍程度であるという
試算もあります。 出典⇒ 群馬県立盲学校
それを考えると、コントと漫才でどちらが面白い
のかではなく、同じ面白さとした場合にどちらが
伝わりやすいのかと言えば、コントとなります。
視覚は聴覚の100倍(上記の話が正しいとして)
ですので、当然、そうなります。
もちろん、漫才、落語を含めてもいいんですが、
これらも身振り手振りを使い、わかりやすさを
追求はしていると思います。
それはやすきよに代表される上方のしゃべくり
漫才などでもそうですし、ダイマルラケットでも
左側のダイマルさんはよく動いていました。
サンドウィッチマンなどは、話術もさることながら、
身振り手振りが秀逸です。
見ている人にとっては、情景が思い浮かび、コントを
見ているようでもあります。
それは中川家の礼二さんも同じで、車掌の格好を
していなくても、そこに車掌が実際にいるような
印象を受けます。
逆に、東京03はコントに分類されると思いますが、
セリフがしっかりしており、小道具を使わずとも
恐らくラジオですらその面白さが伝わるでしょう。
ですので、これはコントなのか漫才なのかと
判断する場合、
このようにはっきりと区別が出来るものではなく、
どっち寄りなのかというだけの話という気がします。
どうしても白黒を付けろと言われれば、ラジオでも
面白さが十分に伝わるものが漫才であり、ラジオでは
それが難しいものはコントだろうと思います。
従って、2020年のマヂカルラブリーの優勝ネタは
極めてコントに寄った漫才で、ラジオではその面白さ
が伝わらず、コントに含まれて来ると思います。
ただ、「M-1」が漫才の王者を決めるということで、
審査員が決められ、その審査員が判定した結果の
優勝ですので、
「あの審査員達、特に票を入れた3人の審査員には
漫才として認められた。」
としか言えないですし、それだけの話だと思います。
2024.12.8
ですので、外野が漫才だ、いやコントだと言っても
議論自体が無意味なような気はします。
ラジオではなく、テレビ中継され、観客もいる
という点では「M-1」も「キングオブコント」も
一緒です。
違うのは、恐らく審査員と審査の方法と放映局、
そして、それらの質だけです。