昨日、「ゴルフの神様は思慮深い」
と書いたはものの、ゴルフはどこまで
運や奇跡に頼ることが出来るのか?
当たり前ではありますが、運に助けられた
時は「望外の喜び」でしかありません。
司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」の一節から
構成を少々変えて。
○日露戦争時の日本軍最高指導者群
合理主義的計算思想から一歩も踏み外してはいない。
×太平洋戦争時の日本軍最高指導者群
欠如している算術性の代用要素として
哲学性を入れた。
戦略的基盤や経済的基礎のうらづけのない
「必勝の信念」の鼓吹や「神州不滅」思想の宣伝、
それに自殺戦術の賛美とその固定化という
信じがたいほどの神秘哲学が、軍服を着た
戦争指導者たちの基礎思想のようになってしまっていた。
司馬遼太郎の述懐
日露戦争当時の政戦略の最高指導者群は、
30数年後のその群れとは種族までちがうかと
おもわれるほどに
×日露戦争時の前任・後任ロシア陸軍大臣
「日本兵1人半に対しロシア兵1人を配して
ゆけばよい」
「それは日本兵を過大に見過ぎている。
日本兵2人にロシア兵1人を配すれば十分である。」
×太平洋戦争時の日本側指揮官(どこかで読んだ話)
神国日本軍の兵士であれば、1人で3人の
敵を倒しうる。精神一到なんたらかんたら。
負けた側というのは、やっぱり負けた理由を
ちゃんと持っています。
「敵は1万人?じゃあこっちは5千人で十分じゃん。」
「向こうは5千人?
何だあ、1万人じゃなく、2,500人で十分じゃん。」
「敵が2,500人に減った?
じゃあ、千人ちょっとでこっちの勝ちじゃん。」
はい、馬鹿たちの会話です。
ゴルフも正確なショット・パットを打てる割合と、
時期を見た戦略性だけが、基本的にはスコアの
全てを決めます。
これまで皆さん、どれだけ「絶対に入れる!」
というロングパットを外しています?
気力・信念・必勝の気構えだけでは入りません。
「このロングで2on、そのまま入れちゃえばアルバトロス。
それで逆転だ!」
実現したことあります?
譲って、そこで2onしたことあります?
他のスポーツと同様、基本的にはゴルフも
実力しか最終結果には反映されないです。
2020.11.7
司馬さんは満州で戦車部隊の陸軍少尉として
終戦を迎えましたが、その時の軍部の非合理的
思考に対する嫌悪がその後の作家活動を支えた
と思います。
史上最悪の作戦と言われるインパール作戦では
日本軍9万5千人の内、7万2千人が戦死と考えられて
います(過半数は戦闘でなく、栄養失調・病死)。
天下分け目の戦いと言われた関ヶ原の戦いでの
死者数は8千人だそうですので、推定、その9倍が
異国の地でとなります。
更に「何千人殺せば(インパールを)取れる?」
これは自軍の日本兵士を何千人殺せば?
という意味です。
結果的に何千人どころか何万人も殺した挙句、
作戦大失敗だったのですが、責任者はノコノコと
ノコノコと帰還し、罪にも問われていません。
彼を罪人としたら、その無謀な計画を承認した側も
みな罪人となってしまいますので。
写真の渥美さんのような多くの兵隊さんが
駆り出され、何万何十万もの兵士が言ってみりゃ
簡単に太平洋戦争で戦死させられました。
会ったことはありませんが、私の2名の伯父も
太平洋戦争で戦死しており、おばあちゃんは
戦後何十年経っても、よく泣いていました。
長男はシベリアに抑留され、そのまま現地で、
次男は輸送船ごとフィリピン沖で沈められてです。
長男は二度目の出征、次男は17才だった
そうです。