どこの企業様でもそうだとは思いますが、
人員を有効配置するため、
当日の混み具合によって、
朝一の勤務態勢が決まります。
フロントで言えば朝一は基本2人ですが、
平日は来場者の人数が少ないため、
1人はやや遅めに出社し、
遅番の手伝いを少しでも出来るようにします。
そのため、「早の早」だとか、「早の遅」という
変な呼称の出勤区別があります。
土日祝は基本、ほぼパンパンの来場者数と
なりますので、2人が同時に出社します。
2人でも、お客様はガンガン来るわ、
電話はジャンジャン鳴るわで超多忙です。
中番の到着する8時過ぎを待ちながら
ひたすら応対を続けていきます。
そんな時の恐怖の1つが、
1人に何かあって出社できず
残る1人で全てをという事態です。
事故渋滞に巻き込まれたとか、
家族が急病で
という連絡があるならばまだよいのですが、
連絡がないという時もあります。
連絡することも出来ない、何か恐ろしい状況?
と、くそ忙しい中、そういうことも頭をよぎります。
そして、仕事だけがどんどん溜まっていきます。
そのため、隙を見てそっと電話をしてみます。
もしもしと伝えた瞬間、
一旦つながった電話が会話もなく切られます。
えっ、そんなにやばい状況?と思っていると、
改めて電話がかかってきます。
慌てて電話を取ると、
もしもし、○○ですが電話されました?
と寝ぼけた声。
そう、彼はまだなぜか寝ていたのです。
「彼」と書いてしまうと犯人がばれてしまいますが、
今度はその「彼」の立場から。
遅番だと思って8時に携帯のアラームをセット。
アラームが鳴ったので、
寝ぼけながらアラームを切る。
時間を見るとまだ7時前。
なんでこんな時間ににアラームが?
寝ぼけた頭で必死に考え
ひょっとしてと思って着信履歴を見ると
会社からの着信履歴。
あ~、やっぱり会社からの電話なんだ。
彼はまだ、真の状況には気付いていません。
もしもし、○○ですが電話されました?
えっ、寝てたの?今日、早番だよ。
え~っ!
ええ~っ!
が、驚いただけで彼の頭はまだ寝ぼけています。
とりあえずと、煙草を一服しているうちに
頭が動き出します。
あかん、こんなことしとれんわ、
すぐに行かにゃ。
いつもなら起きて1時間後に会社なのですが、
この日は40分後に会社に到着となりました。
それでも全然OUTであり、
ガキ使の『アウトっ~!』という声が
頭の中でリフレインします。
フロントに入ると山積みになった署名簿と、
八面六臂、阿修羅のように仕事をする
一人の女性の姿がそこにはありました。
彼女は、首とあごで受話器を支えて応対し、
右手でメモ、左手でパソコンを打ち、
顔は来場者に向けて挨拶していましたね。
それは、昨日3月17日早朝のことでした。
その3月17日は
風もなく、絶好のゴルフ日和だった
と、お帰りになるお客様が
口々に言っていらっしゃった日でしたね。
ええ、確かにそうでした。
はい、はっきりと覚えています。
もう寝ぼけてはいません。
2018.3.18