①本人が購入したわけではなく、親などから引き継いだ。
②ほとんど、or 全く来場をしていない。
中には年会費を一切、支払っていない方も。
こういう方々が、「怒りを露わにされた」と前回
書きましたが、思い返してみれば「そうだろうなあ」
という気持ちもあります。
会員券を購入した本人はある程度、ゴルフ場運営に
ついての知識もあったろうし、ゴルフが好きという
面もあったろうと思います。
でも、子供たちがゴルフをしていなかったとしたら、
ゴルフ場運営についての知識は乏しかったでしょう。
一方で、ある会員権購入層には、会員権を投資対象
として、購入された方々もいたことでしょう。
サン・ベルグラビアカントリー俱楽部が開業を
計画した当時は、会員権バブル真っ盛りで、
買えば必ず儲かる、それも相当にという時代でした。
ですので、何千万円であろうが、すぐに倍になるかも
と思って購入した人は多いはずなんですよね。
仮に投資ではなく、純粋にメンバーになるために
入会というのであれば、余程お金の使い道に困って
いる方々以外、何千万円も出すのはクレージーです。
ビジターフィーが3万円、メンバーフィーが年会費
込みで1万円、入会費用が2,000万円とした場合、
2,000万円/(3万円-1万円)=1,000
即ち、1,000回ラウンドして元が取れるかどうかに
なります。
現在はビジターフィーがそこまでは高くはないため、
現在で言えば、3,000回とか4,000回とかの来場が
必要になってしまうでしょう。
ですから、バブルが崩れ、その中のゴルフバブルも
崩れた時、他コース例をいくつも見た上で、購入者は
ある程度、覚悟が出来ていたと思います。
投資は失敗したと。
でも、その子供たち、ましてやゴルフ場のことをあまり
知らない人達からすれば、「投機性のない固い資産」
と、会員権のことを思っていたのかもしれません。
が、「固い資産」だと思っていた何千万、何百万、
何十万が、45万円だとか、25万円になってしまった。
ですので、
「怒りを露わにされた」
方々が出たのは、ある意味必然とも言えます。
2023.11.10
でもまあ、それは一部の人々ですね。
多くの方々は分かっていたというか、覚悟が
出来ていたという気はします。
でも、やっぱり、以前に書いたことがありますが、
一番悪いのは、
「バブルが崩壊といえど、単に株価が下がっただけ。
天災等に比べて相応の理由とは言えない。
だから、償還期限の延長は認めない。」
と、判断した裁判所だと思っています。
今の時代、天災よりも恐ろしいのは株式の暴落
です。
「大恐慌」は歴史としても残っていますが、
その時代の地震、ハリケーンなんて別にそこまで
歴史には残っていません。
バブル崩壊もそうです。
「株式が下がっただけ」と言えば確かにその通り。
でも、
・就職氷河時代につながり、正規社員になれない
若者が急増。日本の所得構造の大変化につながった。
・日本の賃金が上がらず、世界水準から大きく取り
残され、隣国韓国よりも下になってしまうという
結果になった。
・ゴルフ場のほとんどのコースが立ち行かなくなり、
メンバーの所有していた時価総額100兆円を超える
であろう資産が消滅した。
などなど、天災どころではない前代未聞の大災害です。
いくらひどい地震・津波でも、日本中の経済・社会、
そして、日本中のゴルフ場にその被害が及ぶなんて
のはないです。
そして、20数年を経て、とうとうサンベルの経営
にも引導を渡してしまったということになります。
でもまあ、メンバーさんを始めとする来場の方々に
支えられて、ここまで持ったという面があり、
恩返しをしていかなくっちゃとは思っています。