「50ヤード以内に落ちてドスンと音がすれば
打込み」
「コロコロと転がってすぐ後ろ、5mぐらいまで
来たから打込み」
このような考え方が一部の人からは「マナー」
「エチケット」と考えられ、より多くの人からは
「呪文」と日本では考えられるようになったのか?
本日は、上記の話が発生した理由について説明
します。ただし、推測となります。
①日本のゴルフ草創期、そもそも公認ルールは
存在していなかった。
日本ゴルフ協会もまだ存在していなかったし。
イギリスのR&AもアメリカのUSGAも存在はして
いたが、両者間のルール上の統合は行われておらず、
そもそもそれらの詳細を知る人物が日本にいなかった。
②結果、そのクラブクラブで聞きかじった
内容を元にオリジナルのルールを制定し、
ラウンドをしていた。
③ゴルフ草創期はお金持ちの仲間内のクラブ。
コースを回ってもまず顔見知りばかり。
そういう中ではお偉いさんの爺っちゃんがいて
いろんなことを中心になって決めた。
④その中で
「50ヤード以内に落ちてドスンと音がすれば
ビックリするからNG、コロコロと転がって
来ても気になるからNG」
「お前、年の割に耳が聞こえ過ぎだし、気に
し過ぎじゃねえのか?」
「うるせえ!いいな、ペナルティにはせんけど、
これはマナーとしてちゃんと守るんだぞ!」
てなやりとりがあったかどうか、いずれにせよ
それがマナーとして定められた。
*だからこそ、ルールにはない「打込み」と
いう概念が日本には未だに存在する。
⑤そんなことがゴルフの広がりとともに広まったが、
ルールにはないということが判明したため、
マナーとしてのみ一部の人の中に残った。
が、説得力が弱く、そもそもルールにもないため、
一部の人だけに留まったまま、今に至る。
こんなことじゃないかと推測しています。
2024.9.27
これを裏付けるというか、日本独自のものは
2023年版ルールブックにも記載があります。
1.2 プレーヤーの行動基準
1.2a すべてのプレーヤーに期待される行動
• 他の人に配慮を示すこと-例えば、速やかな
ペースでプレーする、他の人の安全に気を配る、
他のプレーヤーの気を散らさない。
プレーヤーのプレーした球が誰かに当たる
危険があるかもしれない場合、プレーヤーは
すぐに注意を喚起(「フォアー」のような伝統的な
警告など)するべきである。
日本のルールブックにはそのように書かれています。
でも、本家の英文のものには次のように書かれて
いるだけです。
showing consideration-for example,
by playing at a prompt pace, looking out
for the safety of others,
and distracting the play of another player
何かというと、次の部分が英文の方には記載
されていないんですね。
「プレーヤーのプレーした球が誰かに当たる
危険があるかもしれない場合、プレーヤーは
すぐに注意を喚起(「フォアー」のような伝統的な
警告など)するべきである。」
ですので、「打込み」という概念は元々のルール
ブックには存在していません。
なのに、それを絶対的なマナーのように振りかざす
人たちというのもどうかなあと思っています。
もちろん、「他の人の安全に気を配る」はあり
ますので、当てかねない打球はダメです。
でも、「50ヤード以内にドスン」「数ヤード
以内にコロコロ」、
いい加減、日本の古き呪縛を解いてもよい頃だと
思います。