今度の規則改正の最大の目的は、
スロープレーの防止、レディゴルフの推進
と言ってよいと思います。
規則を改正せざるを得ないほど大きな
問題になっているのです。
そして、規則改正の動きは日本から
始まったわけではありませんので、
スロープレーは世界的な問題であり、
その防止は世界的な課題なのです。
ゴルフ場に勤務していないとわからない
一例をここにご紹介します。
スロープレーは、遅れ始めた組の後の
方々が被害を被りますので、スタートの
早い組が遅れる場合は、被害者数が
うなぎ登りとなります。
①朝一INスタートの3組コンペがいきなり
ハーフ3時間プレー。
マスター室、支配人室が色めきます。
緊急事態の発生です。
前がいないのですから、2時間そこそこで
回り、後ろを引っ張ってもらいたい所
なのですが。
②後続の組は、当然ながら全員ハーフ3時間
以上のラウンドになります。
特に、原因となったコンペの直後の方々は、
「朝一で何でこんなに待ち待ちなんだ?」
と不審を抱きます。
「鋭い!」としか言いようがありません。
③まだスタートしていない後半スルーの
一団もスタートが30分遅れ。
前半スルーの最終組が通過するのを
マスター室前でヤキモキしながら
20数人が待ちます。30分以上も。
④自分たちが原因で大問題を引き起こして
いる方々もようやく後半のラウンドに突入。
彼らがいなかったOUT側は進行がスムーズ
でしたので、彼らは待たされることなく、
すぐに後半スタートです。
「おお、なかなかスムーズだなあ。」
とでも言い合っているんでしょうか?
だとしたら、いい気なものです。
が、これでINのみの被害がOUTにも
どんどん広がり始め、本人たち以外の
全員が被害者となります。
⑤OUTを順調に回って来た方々は、ここで
被害に初めて遭遇します。
OUTをスルーで回ってきた方々は、
スルーのはずなのに、マスター室前で
30分以上の待機となります。
30分前にスタートしているはずだった
前の組の方々がまだスタートできずに
いますので。
食事にも行けないし、本当にやることが
なく、パット練習でも延々とやるしか
ありません。
⑥それに続く休憩ありの方々は、普通なら
30~40分程度の休憩時間が1時間前後に
されてしまいます。
そして、彼らには後半も3時間超ラウンド
の危険性がまだ残ります。
「こんなに休憩時間があるのか!」と
怒りを覚えたことのある方は多いと
思いますが、裏事情はたいていこの
パターンです。
⑦もっとも被害を受けるのは後半スルーの
方々です。
前半は3時間超、後半は前が空いて急ぎに
急ぎますが、間もなく日没。
最終の数組が回り切れないということが
発生することも稀にあります。
⑧上記の結果、特に休憩ありの方々から、
マスター室やフロントへ苦情が出ます。
そして、日没終了となってしまった場合の
方々からは非常に強いクレームが。
当たり前ですが、特にフロントの女性には
何の責任もありません。
しかし、感情的な八つ当たりをだれかれ
構わずまき散らしてしまうという方も、
たまにはお見えです。
⑨そうすると、その非常に強いクレーム
を受けたフロントの女性社員たちから
私に八つ当たりが来ます。
「私、もの凄く怒られちゃった!」と。
八つ当たりも波紋のように連鎖して
私の所にまで届きます。
⑩原因を作った3組のコンペの方々だけが
とっくにさっさと帰られています。
百何十人もの被害者、そこから波紋の
ように広がる負の感情を知らぬ顔で。
2018.12.1
実態はこんな感じであり、決して誇張
でも何でもありません。
遅いプレーヤーはゴルフ場にとって、
本当に大問題であり、だからこそ
今回のようなルール改正にもつながって
いるのです。