日本中が1950年代のアメリカに憧れた
時代がありました。
冷蔵庫・掃除機・洗濯機をその豊かさの
象徴と見た女性もいらっしゃれば、
マイカーとマイホームをその象徴と
感じた男性もいらっしゃったでしょう。
リーゼントとポニーテール、そして、
ロックンロールをその象徴と感じた
若者も多かったはずです。
では、子供たちはどうだったんでしょう?
独断で言えば、好奇心の強い子供たちが
強く心を惹かれたのはハンバーガーと
ゴルフです。
ポパイに出てくるほとんどしゃべらない
さえないおっさんなのに、ウインピーが
存在感たっぷりだったのは、
ひとえにいつも山のように持っている
ハンバーガーゆえでした。
実際には食べたことも、見たことすら
なかったハンバーガー。
どんな味がするんだろう、アメリカじゃ
あんなものが食べられるんだ、
一度食べてみたい、とどれだけ多くの
子供が思ったことでしょうか?
ゴルフもそれに近いです。
アニメによく出てくるスポーツでは
あるけれど、ゴルフは身の回りでは
見ないものの1つでした。
そして、その子供たちが大人になる頃、
ハンバーガーとゴルフはほぼ同時期に
日本で大きなブームとなります。
日本の各地にマクドナルドが進出し、
日本の各地にゴルフ場が建設されます。
ポパイとトムとジェリーの影響は
実はとても大きかったような気がします。
決して、ジャンボ・青木・中嶋選手らの
功績だけでなく、それを受け入れる土壌が
その頃の子供たちの中に育ち、大人になって
形になったのではと。
2019.2.3
スポーツで言うとボーリングもそうでした。
こちらは1970年代初期にいち早く大ブーム
となりました。
私が初めてハンバーガーを発見したのは
驚くことに八百屋さんででした。
ガラス張りの冷蔵庫の中に調理された
ものが置いてあり、それを買って帰ったは
よいけれど、温め方がわかりません。
当時は電子レンジはもちろん、オープン
トースターもまだありませんでしたので、
魚を焼くガスレンジにそのまま放り込んで
温めてみました。
髙さがあるので、すぐにパンの部分は
まっ黒焦げになりましたが、パテの部分は
冷たいままです。
これはいったいどうやって食べるんだ?
と非常に困った覚えがあります。
大学生の時に知立駅で、バンズを二つに
割って内側を焼き、それとは別にパテを
鉄板で焼いているのを見て、
初めてハンバーガーはこうやってかと理解
することができました。
子供の時の記憶は心に刻み込まれます。
例え、表面上は忘れてしまっていたにせよ。
ハンバーガーとゴルフは知らぬ間に
心の奥底に刻み込まれ、それゆえ、
50代60代になってもそれを楽しむ
方々が多いのではないでしょうか?
今思えば、初めてマックに入った時と、
ゴルフ場に入った時は、同じ感激が
あったのかもしれません。
共に言い知れぬワクワク感がありました。