今も忘れられないのは、信用金庫の時の
話ですね。
まあ、私、ねちっこくいろんな出来事を
覚えている質ではありますが。
ボーナス時期は定期預金獲得のノルマが
出ます。
大体、当時は営業1人2千万円ぐらいが
その信用金庫の相場ノルマだったと思いますが、
その達成がそりゃ難しい。
まあ、ノルマってのは課す側からすれば、
簡単に達成してくれちゃったらそれも困る
らしいですし。
支店トータルでもノルマが課せられますので、
支店ノルマ達成のためにも、
定期預金を10万円以上してくれた方には
くじ引きで豪華賞品(微々たる日用品ですが)を!
というイベントを開催。
いろいろ飾りつけ、賞品陳列等を終え、
ようやく迎えたその開催初日、午前中の
外回りを終えると、えらいことが起こっていました。
支店長が真っ赤な顔で目を釣りあげ、怒鳴り始めます。
「お前なあ、お前んとこのお客さんの○○さん。
朝一番でやって来て、3本くじ引いて
1等賞、2等賞、3等賞、みんな当ててっちゃったぞ!
目玉賞品が朝一番でなくなっちゃって、
お前一体、どう責任取るつもりだっ!」
それは、「そんなことってある?」
という運命のいたずらとも言えました。
いや、どうしようもないし、
何で責任を取らなきゃならないのか?
一歩譲って、どうやったら責任を取れるのか?
困惑しかなかったです。
2021.4.10
今考えると、あれは退職への大きな引き金に
なりました。
退職なんてのは、短期間で退職を繰り返して
いる方々にとってはお茶の子さいさいかも
しれません。
でも、特に妻子持ちにとっては、一般的に
なかなか踏み切れるものではありません。
いろんなことが積み重なり、底が浅くなって
いる所に大きな一撃が到来⇒堰を乗り越えて
しまってという気がします。
最後の大きな一撃が幸いにして来ず、
何とか踏みとどまったという方は、多分、
星の数です。
でも、私にとって、あれは間違いなく、
大きな一撃の1つでした。
それにしても、
「何という引きの強い奥さんなのかしら?」
と思ったことも忘れられません。
鬼のような引きでした。