ついでに、もう1つ紹介させて頂きますと、
(まあ、以前にも何度か引用させては頂いて
いるんですが。)
世界の歴史のなかで無数の専制者が出たが、
そのうちわずか二、三人のみがすぐれた政治
業績を残した。
あとはことごとく専制のために国家をやぶり
身の破滅を来たした悪例の歴史であるが、
しかし存在としてすでに悪である専制者たちは、
つねに歴史上数例しかない英雄的な先例を
神聖視することによって
おのれの専制を正当化する癖があり、常人以下の
能力でしかないニコライ二世でさえ、即位早々、
「予は、予の父帝がなしたるごとく、専制の
原理をゆるぎなく守るつもりである。
このことを国民にしらしめよ」
と、宣言した。
偉大なるロシアは、ただ一人の愚者によって
ひきいられているのである。
これは何が言いたいのか?
今の資本主義の現代日本に置き換えると、
専制になりがちなのは企業なんですね。
各企業、とりわけ創業者一族に率いられた
企業はこの弊害に直面している企業が結構、
存在するように思います。
ビッグモーターなんてその典型です。
もちろん、そういう企業ばかりではないですし、
メンバーさんにも企業経営の方々が多くお見え
ですので、多くは言いません。
でも、ヤバいのはこの部分だと思ってます。
2024.2.13
人間は弱く、叱る人がおらず、周りにへいこら
しかしない人間ばかりだと、結局、質の悪い
専制君主になる可能性が高くなります。
で、司馬さんは同じの本の中で、
「功労者は、勲章をやればいいのです。
実務につけると、百害を生じます。」
と、山本権兵衛に語らせています。
江戸時代の越後屋三井一族がこのパターン
ですね。
呉服店の実務は番頭に任せ、経営者は趣味に
生きる。
この方法で現在の三井財閥につなげています。
徳川家康もこれに近いことをしています。
徳川四天王など譜代大名には領地を大きく
渡さない代わりに権力を与える。
一方で有力外様大名には大きな領地を与えるが、
権力は渡さない。
また、「英雄」と後世に褒め称えられる人って、
人格がみな良かったわけではないです。
ただ、そういう英雄はみな、金離れが良かった
んですね。
金離れの悪い権力者はかなりの率で悲惨な目に
遭っています。
現在の資本主義も根本的問題は、権力と財力が
イコールになってるい点だろうと思います。
一番権力を持っている人には財力がなく、小さな
中古車に乗っているというのは、悪くない話だし、
見映えの良い話だと思いますけどねえ。
多くの人が彼に好意を持つと思います、特に社員。
まあ、「人のために」というスローガンで何かを
やろうとする場合は、なんかいいことをしてくれ
そうな雰囲気が感じます。
逆に、「金儲けのために」なんてのは、いかにも
ろくでもないことをしでかしそうな気がしてしまい
ます。