「モルトケの法則」というものがあります。
モルトケはプロイセンの軍人でドイツ統一に貢献し、
明治の日本陸軍が範とした人物です。
(モルトケの弟子が来日して日本陸軍を指導)
そして、本当に彼が「モルトケの法則」を編み出した
という確証を見つけることは出来ませんでしたが、
少なくとも日本では有名な法則です。
会社の管理職研修などでは必ず出て来たと思いますし、
今でもそうかもしれません。
これなんですけど、私はずっとおかしいと
思っていたんですよね。
3位とされているけれど、「能力も意欲も高い」
人物が順位は一番上、最重視すべきだろうと。
ただ、見たこともない雲の上の偉い人が言った
ことだし、それに異を唱えると研修の時間が
長引くので、当時は何も言いませんでしたが。
でも、今になって考えると、「意欲」というのは、
ドイツ語で「motivation」です。
ところが、「motivation」には「意欲」「動機」
という2つの意味があります。
この理論を翻訳し、日本に紹介した人が
「意欲」と「動機」を取り違えてしまったのでは?
という気がします。
そのため、「motivation」を、「動機」特に
「個人的動機」と考えるとこうなります。
これならわかります。
組織よりも個人的動機を優先する奴がいたら、
会社の秘密はだだ洩れ、隠れた所ではさぼる、
人の足は引っ張るなんてことが起きかねませんので。
モルトケは軍人であり、軍隊でもっとも忌避される
のは、上官の命令を無視し、個人的利益を求めて
突出しようとする部下です。
これを会社の運営にも適用させようとするなら、
このように訳語を変えるべきではないか?
と思っています。
ただ、これだと当たり前の話ですので、
私なりの修正案を明日にでも紹介します。
日本語のモルトケの法則は、誤訳で単に
「ええ~っ!」と思わせる内容であるが故に、
日本でのみ残っているだけかもしれません。
おまけに「ええ~っ!」と思うような内容を
正当化するための理論をいろんな人がさもありなん
とでっち上げつつ。
おまけにまさかと思うような内容でもあるため、
「ええっ!」と思った人は、「この研修に出て
よかった!」とさえ、思ったかもしれません。
モルトケが言っているのは、おそらくいい意味での
「意欲」ある人ではなく、悪い意味で自己利益の
獲得に「意欲」のある人です。
正確に言えば、個人的動機を組織の利益よりも
優先する人です。
誤訳が日本に広まってしまい、それがそのまま
セミナーなどで使われ、更に言えばそれが目玉理論に
というとんでもないことになっていると思います。
2021.11.7
「坂の上の雲」では、203高地を巡る伊地知と
乃木の作戦面の拙さが指摘されていますが、
基本的に明治日本陸軍に対しては肯定的です。
人格的高潔さがあったと。
それに対比されているのがロシア軍で、
能力よりも保身だとか、自己名誉を優先する
面を痛罵されています。
そして、褒めた日本陸軍がわずか30数年で
ロシア軍のようになってしまい、日中戦争を
引き起こした挙句、敗北する姿を何故?と
まあ、今日は今から西尾GCです。
30数年前に何度も行きましたが、それは全て
早朝ハーフでしたので、1R回るのは初めて。
コースレイアウトを見る限り、私みたいな
ものがドライバーを振り回すと痛い目に遭いそう
ですので、ドライバーは控えてきます。
楽しみです。