この話は人に話した記憶がありません。
でも、当時の高校生のエピソードの1つ
として紹介します。
あれは1977年の2月、私立高校は目の上の
たんこぶの3年生が卒業し、2年生たちは
「さあ、わが世の春を」という時だったと思います。
「お披露目じゃ」とばかりに、地元の
私立S高2年生グループ8人も我がもの顔で
豊橋駅前のときわアーケード街を闊歩していた
のでしょう。
そして、その前方に
へらへらした顔で電話をしている高校生
を発見します。
たった1人だし、細い体型だし、
おまけに制服を見りゃ、ガリ勉の時習館。
格好の獲物が目の前にと思ったと思います。
私は私で、当時あった「仔馬」という喫茶店と
瀬戸物屋の間に置かれた赤い公衆電話から
女性に電話をしている真っ最中。
後々、この女性と結婚することになるのですが、
そりゃあ、確かにへらへらしていたと思います。
へらへらしながら電話をしていると、
背中をトントンと叩かれる。
「なんだ?」と思って振りかえると、
目一杯ガラの悪い雰囲気をアピールした
高校生がずらっと周囲を取り囲んでいる。
ドラマでしか見たことのない光景が、
私の1m先にずらりと並んでいます。
(「おおっ!これは、これは。)
と、ちょっと感動してしまいました。
「お前、何してんだ。」
(何って、電話をしてることもわかんねえのか。
頭のワリイ奴らだなあ)と思っていると、
「ちょっとそこまで来いやあ。」
(いや、俺、電話中だし)とは思いましたが、
基本、ツルむ奴に強い奴はいないと
思っていましたので、怖さはありません。
ただ、今のハッピーな気分は壊したく
ありません。
何とか言いくるめてどっかに追いやろうと
思っていたら、その中の一人が受話器を取り上げ、
受話器の先の女性に向かって「バーカ」と。
(お~っ?)その瞬間にブチ切れた私は、
「てめえら、どこでも行ったるわ!
松葉公園か?
全員、ぶん殴ってやるからついて来い!」
この時は勝算があったわけでもなく、
「激怒」という感情だけでしたけど。
2020.11.25
進学校というと
「ガリ勉ばかり、すぐ不良にも絡まれて」
というイメージがあるかもしれません。
でも、実際には文武両道の奴もいるわけで、
進学校の生徒の全員が全員、喧嘩が弱い
ということはないです。
幼稚園の時からずっとガキ大将という生徒も
います。
逆に、不良グループにいるから喧嘩が強い
とも限りません。
むしろ、強い奴を当てにし、いきがってるだけ
という連中の方が多いです。
1人じゃ自信がないから、数を集めて人数頼み
という場合も多いです。
それは、確かにランチェスターの法則には
合っているんですが、むしろ、1人でも
向かってくる奴の方が怖いです。
1人でも向かってくる奴は、本当にそれだけ
強いか、頭が行っちゃってるかのどちらかです。
そして、それはどちらにしても怖いです。
また、ふらふら遊んでる奴よりも、
部活で鍛えられた奴の方がはるかに
筋力面で優れているということもあります。
野球の強い高校のレギュラーなんて、
喧嘩はしないでしょうけど、やらせたら
メチャ強い連中がゴロゴロいると思います。
更に、地元ですので、どこどこの誰々が
とかの情報は元々あったんですね。
泣く子も黙った当時の豊川高校、そこのボスは
ラグビー部員で、何度か試合をして知ってましたし、
負けるという気もしていませんでした。
大体が、彼はラグビー部同級生の幼馴染で
お友達になってしまっていました。
S高で言えば、中学の時に使いっ走りを
していたような奴が、そこでいい顔をしている
という話も聞いていました。
ですので、S高の1年下の人数頼みの連中、
こんなんにはいくら囲まれても怖くも何とも
なかったんですね。
また、ラグビーはボールを持って突破
しようとすると、十何人に追いかけられます。
そういう慣れもあったと思います。
相手の中に本当に強い奴がいるのかいない
のかだけは、気掛かりでしたけど。
つづく
ヒント
ちなみに高校時代、私は1回だけ入院生活を
送っています。