(初代)北斗の拳(2003年 サミー 63万台)
多分、演出だとかスペックの凄さはそれを讃える
人がこれまでに何度でもネット等で書いて来ただろう
と思います。
ここでは、別の部分で北斗を讃えてみます。
パチスロ開発時の部下にF君という人物がいて、
彼のパチスロ知識の凄さゆえに、パチスロ開発経験者が
いなくても開発を進められたということがありました。
で、その彼とある時、口論になったんですね。
他愛もない話ですが、
私:北斗の拳にB物が出てる。
F君:北斗なんてB物が必要ないんだから、出るわけ
ないじゃないですか。
B物の基本的な考え方は、
①モーニング機能
打てば打つほどお客さんが儲かるということはレアで、
基本的にはお客さんが打てば打つほどホール側が儲かり
ます。
結果、朝一番からお客さんが付けばその分、ホールは
儲かりますので、ホール側は朝一からお客さんが付く
ことを望みます。
②爆裂機能
1万円分を買うと、1/3の確率で1万5千円当たるという
宝くじがあった場合、その宝くじを買います?
宝くじは配当率が50%に届いていないため、当選賞金を
1万5千円にすると当選率は33%程度となり、3回の内、
2回はハズレで、当たっても1万5千円です。
これでは誰も買わないからこそ、当選率が2千万分の
1でも、一等賞金を10億円とかにして購入意欲を高めます。
射幸性を煽りまくります。
パチンコ・パチスロも原理は同じです。
ホールへのテラ銭が実際には含まれている以上、
毎日、ただ単に確実に千円ずつ負けるような台は
誰も打ってはくれません。
そのため、5千円、1万円、2万円と負ける日が多く
ても、勝つ時は3万円、5万円、10万円という特性が
不可欠になります。
③即ヤメ防止機能
基本的に稼働が付けば付くほどホールは儲かるため、
大当り直後に遊技を止められ、換金してホールを立ち
去られてしまうのは、ホールにとって困った事態です。
そのため、
大当りが終わっても打ち続けると
⇒その持ち玉、持ちメダルが無くなりそうになって
来た頃に連チャンを期待できるゾーンが到来。
という感じに設計したんですね。
これを「引き戻し」と呼んでいたのですが、これにより
大当り後も引き続き打ってくれ、「引き戻し」が空振れば
泣いて帰ってくれるようになりました。
つづく
2023.1.4
「引き戻し」が空振りに終わっても、その間、連チャンを
夢見てドキドキ出来たのですから、それはそれで楽しい
時間でした。
「ハイエナ」という言葉がありますが、この「引き戻し」を
知らない人が大当り後に少しだけ打って帰るのを、虎視眈々と
狙っていたのが「ハイエナ」です。
自分では打たずにそういう台が空くのだけを待って
ホール内をひたすらウロウロしている若いハイエナたちは
数多く棲息していました。
この機能、当初はB物専用の機能でしたが、後にストック機
の時代になると合法的に標準装備化されていきました。
「(初代)吉宗」などがその典型です。
そして、この頃のB物というのは遊技性を上げるという
ことが目的で、ハイエナされた人を除いて損をした
という人もほぼいないと言ってよかったと思います。
でも、北斗以降ですね。
「遊技性を上げる」のではなく、ホールがぼろ儲けする
ことを目的にしたB物ソフトが作られるようになったのは。