団塊の世代の方々も戦後生まれですので、
今の日本人のほとんどは戦争を知らない子供たち
だったと思います。
(多分、80才未満の方に戦争の記憶はないでしょう。)
それはありがたいことなのですが、団塊の世代の
方々も、そして、それに続く私たちの世代も、
今考えると、自身の成長期に戦争の影は残っていたんですね。
私の生まれは戦後13年目で、11年目の『経済白書』で
「もはや戦後ではない」という言葉が使われていますので、
戦争を実感として感じることはありませんでした。
でも、物心のついた頃、戦争を想起させるものは
周囲に溢れていました。
「ゼロ戦はやと」は子供向けの人気アニメでしたし、
漫画雑誌にも「紫電改のタカ」等、戦闘機をモチーフに
した人気漫画は数多くありました。
今はほとんどないと思いますが、「山本五十六」を
神格化し、「山本五十六さえ戦死しなかったら・・・」
的なドラマ・映画も数多くありました。
(まずそれは幻想だったでしょうが)
岡崎城へお花見に行けば、傷痍軍人の方々が、
ずらっと並んで座っていましたし、近所や親戚にも
召集経験者がごろごろいました。
私の伯父も2名戦死しています。
ですので、私は子供の頃からずっと、
「いつか戦争に行かされるんじゃないか?」
という気持ちがありました。
「何才になったらもうそれがなくなるのかしら?
40?いや、危ないな。50過ぎか?」
という気持ちは何十年も折に触れて、私の心の中で
沸き上がっていました。
さすがに60才を超え、「もうないな」という安心感が
今はありますが、今なお、世界にはそれに巻き込まれて
いる方々は多数いらっしゃいます。
それを思うと切ないです。
2022.11.29
信用金庫に入庫しても、中小企業の社長さんたちが
融資の窓口へしょっちゅう遊びに来ていたのですが、
彼らは本当によく戦争の話をしていました。
「鉄砲の弾なんて全然見えない。
横に生えていた花が突然折れて、弾が当たったって
わかるだけ。」
もちろん、日本は戦争していませんが、私自身、
「今の日本は企業奴隷制だな」と思って来ましたし、
「ブラック企業」という言葉も世にはびこっています。
従って、心の平和が訪れているわけではありません。
少しずつ少しずつ世の中が良くなっていけばいいなあ
と思っています。