もう1つの大きな理由というのは、これこそ
根本的な部分なのですが、
「償還期限が来たから償還請求をというのは
全体の10%もなく、多くのメンバーさんは
継続の手続きを取られる。」
そのため、実際に償還金をお支払いするのは
件数自体としてはそんなに多くはないです。
多分、バブルの頃の償還金請求・倒産騒動からの
教訓で、コース側もいろんな対策を講じた結果
という面はあります。
具体的に説明しますと、多くの場合、ご入会
頂いた時よりも新規の額面金額は下がっており、
それを利用して優待制度を設ける場合があります。
例えば、
償還期限を迎えたメンバー様1名
↓
証券を3分割して3枚の証券を新規発行
↓
ご本人に加えて、奥様・ご長男様名が新規入会
↓
対象となるご家族がいない場合は、2名様分の
プレーフィーをディスカウントする無記名証券を
発行。
↓
償還期限を改めて設定
という具合です。
このようなケースでは、新規加入ご家族の
入会金についても優遇措置を取り、手続きへの
意欲が高まるような措置も行っています。
また、
ある年齢に達した時は、ご子弟をメンバーに
することが出来、ご本人は名誉会員として、
引き続きメンバーで
という措置を取っているコースもあります。
このような方法で、各コースはメンバーさんの
若返りと償還期限の引き延ばしを図っているんですね。
そして、それは多くのメンバーさんにとっても
利益のある話となりますので、実際の償還金請求は
件数としてはさほど多くありません。
今のメンバーさんは投資目的ではなく、実際に
ゴルフを快適に楽しむための手段として会員権を
所持しているという面は大きいと思います。
バブルの頃は、投資として1人で何口も購入し、
危ないと思えば一斉に手離すんですから、
そりゃ何かあれば請求は殺到したでしょう。
ゴルフ場もゴルフ場で、規模からすれば2千口程度、
3千口じゃ多いでしょという販売口数、それを5万口も
売ったというコースさえありましたので。
そして、後々問題となったとしても、それを買って
しまう層が存在した。
金儲けの亡霊たちのイメージが未だに残っていて、
その部分だけを引っ張り出してはあれこれ書く輩が
いるということでもあるような気がします。
2021.12.22
ですので、本当に、
「団塊の世代がゴルフから離脱⇒償還金請求殺到
⇒多くのゴルフ場がつぶれる。」
という話を聞くと、コース関係者としては
「はあっ?」と思いますし、「もうちょっと
勉強してから書いたら?」とも思います。
「センセーショナルを」と、はやっている方は
それを知っていても敢えてそういう部分には
触れないだろうという推測もありますが。
まあ、いずれにせよ「0」ではないけど、
「多数」ということはまずないと考えています。
また、例えば、息子さんがメンバーになると、
友達を誘う⇒その友達もメンバーにという流れも
あります。
さらに、かつて、会員権の価格はほぼ
「個人住宅」の価格と同じでした。
それが、高級車の価格⇒普通車の価格⇒軽自動車の
価格⇒中古車の価格 となって、買い易くなりました。
「預託金なしで入会金のみ」という原付バイクの値段で
入会できるというコースも多々あります。
結果、ゴルフをされる方の周囲でコースメンバーに
なる人が増え、「なら自分も」というケースは多い
だろうと思います。
あるコースは入会が順番待ちだとも聞きますし、
当コースでも新規入会者は相当に多くなっています。
「メンバーさんが知人を新規メンバーに誘い」
という流れが非常に多く発生し、メンバーさんは
1人でというよりも「塊」で来場されることも多いです。
追記2024.9.16
「なら何でサンベルは営業を続けられなくなった
のか?」
今なら書けますが、やっぱり一番大きかったのは
経営層の経営手腕の悪さというか、熱意のなさ
だったと思います。
そこに強引な償還請求がいくつか重なったという
ことですね。
どの企業でもそうだと思いますが、経営者の才覚は
大きな要因となります。