「笑いが古い」、「昭和の笑い」と揶揄される
ことがよくあります。
でも、最新の「令和の笑い」だとしても
30年、40年経てば「令和の笑い」「笑いが古い」
と言われます。
そして、30年40年なんてあっという間です。
この感覚は、30年40年があっという間
ということを経験してきた人でないと
わからないかもしれません。
元々、文化は新しいものが突然、
それ以前のものと関わりなく誕生する
のではありません。
少しずつの変化が時を経て積み重なると、
見た目が大きく変貌し、新しいものになった
かのように見えるだけです。
そして、「令和の笑い」も突然、
笑いのない世界に誕生したのではなく、
それ以前の笑いを踏襲して誕生しています。
さらに言えば、「令和の笑い」と胸を張って
言われても、そこまで新しいか?
と正直、思ってしまいます。
やってるスタイルは、コントであったり、
漫才であったりと、なんら新しくはないです。
新しさで言えば、1970年代後半のB&Bや
ツービートの斬新さに比べると、
「令和の笑い」など足元にも及ばないです。
お笑いブームを日本中に巻き起こし、
芸人の地位を飛躍的に引き上げ、
テレビ番組の構成すらも変えてしまいました。
今や、TV番組のMCをどれだけ多くの芸人が
担っていることか。
こうなったのは全て彼らの登場以降で、
現在のお笑いタレントは全て彼らの余韻で
現在の位置にいられるという面もあります。
もし、今、新しさに着目して言うのであれば、
それは「令和の笑い」ではなく、YouTubeでしょう。
2020.11.11
面白い、面白くないだとかではなく、
本当に価値があるとかないとかでもなく、
単に「古い」「新しい」だけで評価される
ことがあります。
これは実力で勝てない時に、相手が持って
いないものを取り上げて、優位に立とうとする
手段の1つにしか過ぎません。
「僕たちには若い感性があるから。」
これは、その時々の若い人たちが、何十年も
必殺技のように用いてきたフレーズです。
でも、そもそもが若さと感性は別物です。
若いから持っている、年老いているから
持ってないのではありません。
著名な芸術家、作家などのように若い時にも、
高齢になっても、新しいものを作り出すという
方々がいます。
理由はわからないのですが、若い時だけ
それを発揮できる人、経験を長く積んで
ようやく発揮できるようになる人もいます。
ですので、「若い感性」と胸を張られても
「感性があるってのは、思い込み。
となると、青臭え若さしかねえじゃん。」
と、言えます。
「新しい」と言われても、
「ヤマンバメイクも新しかったけど、
今でもやってる奴いる?
若い男、全員チェッカーズって時もあったし。」
とも思います。
ただ、「若さ」だとか「新しい」という
言葉にはブランド力があるため、
それに騙されてしまう人もまた多いです。
「少年老い易く、学成り難し」
「光陰矢のごとし」
「若さ」「若さ」と騒ぎ立てる人ほど何も
残せずに、ただただ年を重ねてしまうという
パターンが多いようなには感じています。
ええ、「若さ」しかなかった人たちです。