たびたび、人間性はその顔に現れると書いて
きましたが、最近でいい表情と思うのが、
渋沢栄一さんですね。
渋沢栄一を初めて知ったのは大学生の時で、
家庭教師先の社長室に「青淵」という雑誌が
いつも置いてあったんですね。
なんだろ?と思って見た所、なんかいかにも
「爺。爺の中の爺。」という方がメインにド~ン。
それが渋沢栄一さんだったんですが、
その人が企業をいくつも作った偉い方と
知っても、なんかピーンとは来ませんでした。
やっぱり、当時はまだ青い頭で、そこに
くっついた目には、どうってことのない
ただの爺としか見えなかったです。
でも、今見ると、凄くいい表情をされた方
だなあと。
それでいて凄みもあり、こんなお爺さんに
言われたら、そうそう逆らえないよなあ
という雰囲気もあります。
業績だけでなく、言動を知るにつけ、
「なるほどね」とも思いました。
2021.4.15
渋沢栄一さんが軍部の独走を懸念した
言葉が残っていますが、そう「戦争を懸念」
ではなく、「軍部の独走を懸念」なんですね。
第二次世界大戦の悲惨さから
「戦争は絶対悪」という基本思想・思い込み
が日本にはあります。
でも、それは誤りです。
冷戦時代、アメリカが「戦争反対」
と言って、全ての軍備を放棄していたら、
多分、今の世界はありません。
日露戦争前夜、日本が同じく「戦争反対」
と言って、全ての軍備を放棄していたら、
日本はロシアの植民地になっていた可能性が
高いです。
一方で、「経済戦争」という言葉はなんの
否定的意味もなく通用している現実があります。
相手を負かそうとする行為に変わりはないのに。
「絶対悪」なのは、自分たち自身の利害の
ために国民を煽り、洗脳し、何十万の国民を
戦争へと駆り立てた挙句、
捨て石のように戦死させた当時の軍部の思想
・意志です。
主として陸軍参謀本部に巣食っていた連中
かな?と思うのですが。
「鬼畜米英」「日本を守る!」とかを戦争の
大義名分にしていたはずなのに、知らぬうちに
「一億総玉砕!」とか言ってたし。
そして、「沖縄玉砕」、「東京大空襲」と
もはや勝ち目はとっくになくなったのに、
神風突撃をさせ、戦死者増に拍車をかける。
そういう思想・意志は今もいくらでも残って
います。
当時とそうたいして変わってないとも言えます。
あまり書くと、あいつは危険思想だとか
言われちゃいそうなので、やめときますが、
戦い、或いは、戦いの準備自体は悪いことでは
ありません。
黙ってるから、児童・生徒をセクハラしちゃう
学校の先生も出て来ますし、社員を好き勝手に
する経営者も出て来ます。
自分では戦えないから、親に虐待される子供も
出て来ます。
労組の存在も必要なこととして、社会的に
認知されているじゃないですか。
労組を嫌がるのは、自分の好き勝手が制限
されかねなくなる一部の経営者だけです。
「万一の対抗措置なんて不要」てとこまで、
残念ながら人類の道徳観は高まっていません。
立場を利用して自己の利益を図ろうとする
人間は、下品な顔つきでそこら中にウロウロ
しています。