先日、異能力士として阿炎関の名を出しましたが、
異能中の異能力士と言えるのが、「千代大龍関」。
異能過ぎて「伊能忠敬の子孫?」というぐらい
異能です。
何が異能かと言うと、勝っても負けてもほとんどが
引き技なんですよね。
「負ける時ははたき込み」という力士は
往年の高見山のように、足腰の弱って来た
大型力士にはありがちです。
でも「千代大龍」は勝つ時も負ける時も
ほとんどが引き技。
勝った時のデータは上記のようなものであり、
「叩き込み」と「引き落とし」が合わせて48%
ですので、突出しています。
負けた時のデータはありませんが、見ている限り
負ける時もほぼ引き技で負けるという印象があります。
相手力士も、「千代大龍には叩き込みがある、が、
自身も叩き込みに弱い」ということを知っていますので、
はたくタイミング合戦になることがよくあります。
引き技だけでなく、彼はいろんなエピソードが多く、
その点でも異能だと思います。
詳しくは、⇒Wikipedia 千代大龍秀政
を見て頂くとよいのですが、少しだけ書きます。
(初土俵前に)所要1場所での十両昇進を宣言した際は、
(中略)全勝優勝すれば十両昇進の可能性が高かった。
↓
結局1番相撲から2連敗し、5日目から右下腿蜂窩
織炎のため途中休場した。
幕下付出力士の初土俵場所途中休場は戦後初。
相撲教習所において、出席日数が不足して落第し、
再教習を受けることになった。
「休みすぎて卒業できなかった。10月も来なさい
と言われました。1日も休まず行きます」
とコメントした。
新十両の際の九重(元千代の富士)による評価は
昇進会見での「ほめるところは一つもない」
インターネット掲示板で引き技が本名の「明月院」
からMSP(明月院スペシャル)という異名をつけられたり
正攻法の相撲が「奇襲戦法」と皮肉られたりしがちである。
2021.11.22
彼もはや33才。
突き押し相撲の力士は比較的力士寿命が短い傾向
(相手を押し切るパワーが衰えると勝てなくなる)
があるため、彼も先はそんなに長くはないと思います。
そのため、今の彼の相撲には散り行く桜を惜しむ
だとか、明日には欠けていく満月を惜しむ気持ちに
近い気持ちがあり、日々、人生の寂寥を感じます。
昔、土俵下の審判を務める親方たちはみなお爺さんに
感じましたが、今は、「子供か?」と思ってしまう
ぐらい、みな、若く感じます。
大相撲に限らず、数多くのスポーツ選手のデビュー
⇒全盛期⇒引退を見て来ました。
衰え引退するのがわかり切っているからこそ、
その旬の時を大事に見たいという気持ちもあります。
女子ゴルフもそうです。
今が旬の若い選手たちが咲き誇っています。