大相撲が始まっており、毎日楽しむ方も多いと
思いますが、「異能力士」という言い方があります。
他の力士とはちょっと違うことをして勝とうと
する力士を指すことが多く、宇良等、体力に恵まれ
ない小兵力士がそう言われがちです。
そんな中、身体の大きな力士なのに異能力士と
言えるのが「阿炎」だろうと思います。
彼、「突っ張り」オンリーです。
「突っ張り」以外で勝ったのはあまり見たことがありませんし、
勝つときは、相手に触らせず、一方的に「突っ張り」で勝って
しまうという特徴があります。
普通、「突っ張り」というのは横方向にも力を加え、
相手を押していく手段として用いられることが多いと
思います。
「阿炎」の場合は、横と上方向の複合が目立ちます。
特にあごの辺りを押し込んで、相手をのけぞらせて
しまい、そのまま押し出すというパターンです。
重心の低い力士は胸の辺りを押されても、
踏ん張ることが出来ます。
でも、あごを押されてしまうと苦しいらしく、
「阿炎」に触ることも出来ずに、
土俵を割るというケースが目立ちます。
突っ張りで有名だった力士には、富士櫻、麒麟児、
そして、阿炎の師匠である寺尾がいます。
が、押しでもなく、純粋な突っ張りでしか勝てず
というのは阿炎しか見たことがなく、唯一無二の
「異能力士」という気がします。
もし彼と張り合える相手がいるとしたら、
ストリートファイターⅡのダルシムだけだろうと思います。
2021.11.19
阿炎の場合は、突っ張りとのど輪の複合技と言った
方がよいのかもしれません。
そして、それを可能にしているのは、ダルシムのような
長身と腕の長さという気がします。
過去、突き押しを得意にした力士としては、第22代横綱の
太刀山(在位は大正時代)がいます。
『その双手突きの威力は「誰も二突きとは耐えられない」
という意味から、一突き半→一月半で「四十五日の鉄砲」
と恐れられた。』
ですので、ひょっとしたら彼もそうなれるかも
しれません。
相手がなかなか彼に触れることは出来ませんので。