話は変わって、八百長の一番には一目瞭然の
ものと、非常に判断の難しいものがあります。
八百長をやる方は労力を使いたくない、ましてや
怪我など絶対にしたくないでしょうから、
極めて短時間の勝負が多いです。
短時間で、「あれっ?」てな場合は、八百長の
可能性があると思います。
特に、決まり手が寄り切りなんて場合ですね。
最初に攻勢に出て、「これで落ちる?」という
ようなはたき込みで負けなんて場合も怪しいです。
難しいのは、一瞬で相手十分の取組になる
場合です。
「鬼に金棒、魁皇に右上手」という言葉もあった
ように、十分になられてしまったら、どうにも
ならないという相手もいます。
そういう相手に立ち合いの時だけそれを
許したら、後はいくら真剣にやっても勝てず、
八百長と見破ることは非常に難しくなります。
別に魁皇がそういう八百長をしていたという
意味ではありません。
魁皇こそ、もっとも近くまで横綱に肉薄し、
あと少しで夢かなわなかったスーパー大関だと
思っています。
そして、それもまた良かったと思っています。
長く彼の相撲を見ることが出来ましたので。
2021.7.27
相手十分になってしまった後、さしたる抵抗を
せずに土俵を割るというケースもあります。
そういう場合が八百長かというとそうとも
言い切れないと思います。
隠岐の海さんが典型です。
失礼な言い方かもしれないけれど、彼は
もっと稽古を積んでいたら大関・横綱の器
だったんじゃないかと思っています。
非常にセンスの良い相撲を取り、下位には
滅法強いです。
でも、センスがあるが故に、ダメだと思うと、
簡単に土俵を割ります。
大関・横綱相手だと始めから怪我をしないように
という感じの相撲になってしまいます。
相手十分だとか、力の差が大きい場合は、
センスのよさゆえに、そこで踏ん張って怪我を
してしまうことを恐れるのか?と。
でも、師匠が八角親方(元横綱・北勝海)で、
現在の相撲協会理事長なんですよね。
白鵬がどうのこうのというより以前に、
横綱・大関の器をこの程度で終わらせんなよ
と思っています。
でも、隠岐の海さん、まるっきりガツガツ
した感じが表情からは受け取れません。
「主任、係長なんて、ましてや課長なんて。
一目置かれる程度の平社員で十分。」
と思っていらっしゃる感じも受けます。
確かに、出世はしていないけど、周囲から
課長や部長以上に認められている主任、
平社員という方は結構、存在します。
特に、女性社員に多いです。
男尊女卑の傾向はそうそう改善されません。