「おもろい」と書いたのは、やることや、
やろうとした「根本的な理由がみな同じ」という
点でです。
そして、それが歴史上、何度も何度も繰り返され、
それは王朝だけでなく、会社、身の回りの小さな
グループまで皆同じという点も「おもろい」です。
どんな事例なのかは、司馬遼太郎さんが
「坂の上の雲」で書いていらっしゃいますので、
それを引用します。
専制国家には貪官汚吏(たんかんおり)が
その行政内に巣食っている。
「ロシアの高官は、ウェールス炭(艦隊用の最良の
イギリス炭)の値段を帳簿につけて、粗悪な日本炭を
買いこみ、巨富を得た者も多い」
⇒高性能だったはずの石炭の性能が低品質にすり替わって
喜望峰回りのバルチック艦隊の日本海到着が遅れる。
⇒遅れた上、日本艦隊を挟み撃ちにする予定だった
旅順艦隊は既に沈められ、当初の算段は既にご破算に。
⇒作戦失敗を予想した艦隊長ロジェストウェンスキーは
職を辞し、ロシアに帰ろうとする(敗戦の責任は取りたく
ないから)。
⇒ロジェストウェンスキーを慰留するため、皇帝ニコライは
第三艦隊を準備し、それを派遣しようとする。
⇒第三艦隊は老朽船の寄せ集めで、いつ、バルティック
艦隊に追いつくかわからないず、到着が更に遅れる。
追いついたとしても速力が遅く、戦いには邪魔でしか
なく、無知な好意はかえってありがた迷惑。
⇒日本海にようやく着いたけれど、案の定の完敗。
⇒ロシアは不利な講和条約を結んで終戦に。
⇒ほどなく革命が起こり、ロシア帝政は打倒される。
単なる「黄色い猿退治」のつもりだった日露戦争で
負けたことも革命要因の大きな1つ。
「高官たちが目の前の私利を貪り、それが結果的に
敗戦と革命につながり、高官たちもその革命で
没落する、命を落とす」
あったんでしょうし、似たようなことが過去にも
繰り返され、今もなお繰り返されているんでしょう。
2022.3.10
これを引き起こすのはほぼ100%に近い確率で、
における①のタイプの方々ですが、彼らは本能のまま
やっているのですから、罪はまだ大きくないです。
罪が大きいのは、そういう方々の台頭を許してしまう
権限者です。
それとロシアの敗戦はバルティック艦隊の敗戦だけが
理由ではなく、陸軍でも同じ理由に起因する敗戦
(厳密に言えばあと一押しで勝ったのに撤退)
もあります。
で、そもそもそういうことが発生するのは、
言ってみれば権限者がそういう人物を起用する
からであり、一番の責任は彼らにあります。
陸軍の件は明日ですが、「歴史から学べ」とは
言われますが、本当に人類って全然、歴史から
学んでないです。
まあ、それも目の前の自分の利益ばかりを気にする
人たちが毎回、事件を起こすからですが。
そして、たままた今回の話は現在、ロシアで起きて
いる事件にもよく似ていると思います。