ロシアは日本のように憲法をもたず、国会をもたず、
その専制皇帝は中世そのままの帝権をもち、
国内にいかなる合法的批判期間ももたなかった。
二流もしくは三流の人物(皇帝)に絶対権力を
もたせるのが、専制国家である。
その人物が、英雄的自己肥大の妄想をもつとき、
何人といえどもそれにブレーキをかけることが
できない。
制度上の制御装置をもたないのである。
ロシアのすべての官吏、軍人は、その背後に
おそるべき猛火を感じ、その火に背をあぶられて
いる思いを持っていた。
猛火とは独裁皇帝とその側近のことであり、
独裁体制下の吏僚の共通の心理として、
敵と戦うよりもつねに背後に気をつかい、
ときにはクロパトキン大将のごとく、眼前の
日本軍に利益をあたえてもなお政敵のグリッ
ペンベルグ大将を失敗させることに努力し、
その努力目的を達した。
てな部分を読んで、
「やっぱ専制なんてのはダメだよな」だとか、
「そりゃブレーキはかけられないよな」だとか、
「敵と戦うよりもつねに背後に気をつかいなんて、
実際にあったらたまらんよな」
なんて言ってる場合ではないです。
多分、日本中、そして世界中の企業がそんな状態
です。
「制度上の制御装置」を持っている企業なんて
あります?
社内憲法、社内法に則ってなんてところもなく、
取締役会で、しかもほぼ社長の思い付きによって
決められるだけです。
2022.3.12
「部下が勝手にやった」「私は知らない」
というのは不祥事発生時の経営者の決まり文句。
ですが、この言葉が彼主導であることを物語って
います。
法律に反するような内容、社会に危害を与える
ような内容であれば、絶対に上司の命令、
少なくとも承認がないとやれないです。恐ろしくて。
で、本当に勝手にやったのであれば、自分の
責任逃れの言葉ではなく、別の言葉になりますし、
その上で「長」としての謝罪の言葉が出ます。
まあ、ポアロだとかコロンボと一緒です。
犯人はもっとも利益を得た人であり、それを
考えれば経営者なのか部下がやったのかもすぐに
わかります。
でも、ポアロでもコロンボでも、真犯人は必ず
誰かに罪をなすりつけようとするんですよね。
ですので、先に謝罪の言葉が出ることはありません。
そして、利益優先の方は本当にろくなことを
しないです。