CRロッキーザムービー、大ヒットしたんですが、
客付きは最悪で、「新台」とアピールされて
いるのに1列ガラガラという状態に即、なりました。
となると、ホール側は危険を察知して、
機械代金だけは回収しようと、ギュッと
釘を締めます。
そうすると、面白くない上に、勝てる
可能性が他の機械よりも低いということで、
ますますお客さんは近付かなくなります。
ホール側も、好き好んで自分のお店の常連を
痛めつけるようなことをしたくはありませんので、
「こんな機械、買うんじゃなかった。」
「あそこの機械、いつも客が付かないし、
もう買うのを止めた方がいいかも」
ということになりがちになります。
更に悪いことに、販売前に営業幹部が実際に
試打した所、酷評の嵐だったんですよね。
しかし、部品は既に大量発注していますので、
売れないと困る。
で、営業側が考えた方法が、
「ホール側に実際に打ってもらうと、稼働が
とても付きそうにないことがバレ、その噂も
広まってしまう。
だから、実際のパチンコ台はホール関係者には
見せず、PVだけで宣伝して、導入前に全部、
注文を取りきったら?」
というものでした。
それを経営者が承認
⇒PV宣伝だけで完売
⇒全国一斉導入
⇒全国一斉客飛び
⇒ホール側:パチンコ代金捻出に苦慮
⇒そのメーカーのブランド力:ガタ落ち
⇒その後、どんな新台を出しても警戒され、売れない
鳴り物入りで導入され、こんなに派手にコケた
パチンコ台ってなかったと思います。
特に、その少し前にホール側の信頼を損なう
出来事がそのメーカーにはあったため、
ブランド力という点では致命傷になりました。
ですので、それ以降、このパチンコ機を上回る
ヒット作をそのメーカーは出せていませんし、
出る見込みもないと思います。
ただ、それをを見抜いた営業の眼力はたいした
ものだったと思います。
姑息な案の提案ではなく、思い切って販売延期
(開発し直し)なり、販売数縮小をなぜ提案
できなかったのか?ということはありますが。
もちろん、その販売手法に反対した営業マンも
いたでしょうが、営業部として取ったのは
その姑息な方法。
でも、責任となれば、それを承認し、そもそも
それだけのコストをかけるパチンコ機開発の
担当者にその担当者を据えた経営者です。
その担当者の担当するパチンコ台は、
見た目が立派なだけで、稼働がついた
ことなんて一度もありませんでしたし。
いずれにせよ、このメーカーはこの時に
ブランド力、信頼といった金のがちょうを
経営者自らが殺してしまったと思います。
まあ、そういう夢を見たというだけの
話ですが。
2021.3.13
この種のことで面白い現象があります。
経営者にお目付け役、例えば株主なりが
いれば、その経営者はこの時点でOUTだった
ろうと思います。
営業担当者も開発担当者にも相応の処置が
取られたでしょう。
でも、お目付け役がいない、経営者自身が
株主だったりする場合は、状況が変わってきます。
営業担当者、開発担当者に責任を取らせようと
すると、それを承認したのは誰なのか?
という話になります。
開発にしたって、「絶対に失敗できない」と
社長自らずっとチェックしてたじゃないという
話にもなります。
ですので、営業担当者も開発担当者も高評価され、
経営者も鼻高々で経営を続けるということに
なります。
そして、先々、どんな顔をしてかは知らない
ですけど、「実力主義」「成果主義」とかを
言い出し始めます。
それだけでなく、その営業担当者も開発担当者も
社内で力を持ち初め、会社が立ち直る可能性は
ますます少なくなっていきます。
評価の難しさと怖さですし、それを正そうと
異議を唱えた社員はひどい目に遭い、やがて
称賛以外、誰も何も言わなくなります。
一方で、そんな媚びをしたくない人間もいますが、
彼らはどんどんと会社を去っていくだけです。