今回は、金のがちょうを増やしたメーカーの
話です。
ブランド力を大きくした会社というのは、
その後の販売で非常に有利な位置に立ちます。
車で言えばTOYOTAでしょうし、コンビニで
言えば誰もが知っている大手の数社でしょう。
実際にはいくら格安で高性能でも、聞いたことの
ないメーカーの車を買おうとする方は極めて
少数です。
ドライブ中に名前を聞いたことのないコンビニや
小さいなお店に、わざわざ車を止める方も
少ないと思います。
特定のコンビニのファン、そこに信頼を置いて
いる方なら著名であっても他のコンビニには入らず、
その店が見えるまで車を走らせるかもしれません。
パチンコ・パチスロは、「新台」「地域最速導入」
というキャッチフレーズが集客に大きな影響を
及ぼします。
そのため、そのパチンコ台の実際の稼働を
確認して購入を検討している暇はありません。
試打したり、PVを見て判断し、行けると
思ったら直ちに発注です。
実際の実績がわからない以上、その選定要素の
1つとして、過去のそのメーカーの稼働実績、
即ち、ブランド力がとりわけ大きな意味を持ちます。
また、パチンコ客にも好きなメーカーがあり、
そのメーカーの台しか打たないという方もいて、
ブランド力は本当に重要です。
そして、そのブランド力は、ファンからの
圧倒的な支持を受けて形成される場合が
ほとんどです。
パチンコで代表的なのは、三共(現SANKYO)の
初代「フィーバー」と、三洋物産の
「ギンギラパラダイス」でしょう。
初代「フィーバー」は数字が揃うと大当たり
という仕組みの歴史的元祖で、今やこのタイプの
パチンコ機がほとんどとなっています。
「ギンギラパラダイス」は新台価格が20万円
ほどだったと思うのですが、10万台以上売れても
需要が消えず、中古台相場が100万円を超えました。
そして、権利ものという特殊なジャンルであった
「ギンギラパラダイス」を「海物語」という
セブン機に三洋物産は衣替えをさせて販売。
「海物語」の発売が1999年で、以後、三洋物産は
このドル箱シリーズを現在までに56機種登場させ、
経営を盤石なものとしてます。
パチンコファンの中には、「海物語しか打たない」
という方も、多々、お見えです。
このように「フィーバー」「ギンギラパラダイス」
の開発者たちは、自社だけでなく、
パチンコ業界をも隆盛に導いた功労者です。
パチンコ業界と両社に金の卵を産むがちょうを
何羽にも増やした方々です。
2021.3.14
「ギンギラパラダイス」の登場から「海物語」
の登場まで4年間のブランクがあります。
「ギンギラパラダイス」が大ヒットしていた頃、
知合いだった福井さんという三洋物産、開発の
次長さんに
「ギンパラ、あれセブン機にすりゃいいじゃない
ですか?絶対に売れますよ。」
と言ったことがあり、「本当ですかあ?」
とかの返答がありました。
その時には、とっくに「海物語」の準備が
進められていたのかもしれませんし、社内で
「セブン機じゃ無理」とかの反対意見があって、
揉めてたのかもしれません。
まあ、いずれにせよ、その後の「海物語」の
大躍進を見て、「あんなこと言わんどきゃよかった」
とは、つい思ってしまいました。
別に私が言わなくても、「海物語」は世に
出ていたんでしょうけど。
でも、その当時は私のいた会社の方が
三洋物産より売れていましたので、
上から目線の気持ちがあったのかもしれません。
その点もちょっと反省しています。