今回の話は「非科学的」というわけでもない
ような気はしますが。
ラグビーで、こういうケースの場合、
「道が見えた」
「前が空いた」
「スペースが出来た」
という言い方をすることが多いと思います。
Aの選手は12番の赤黒ジャージの選手の
マークをしているため、10番の選手へ
タックルに行こうとしても間に合いません。
Bの選手は別の選手のマークをしていて
いたのでしょう。
まだ方向転換したばかりです。
ですので、10番の選手の前が空き、
彼には前に道が出来たように見えていた
と思います。
そのため、12番の選手へのパスという選択肢は
彼にはなく、自分で前に走るかボールを前に蹴る
という選択肢ではなかったかと思います。
この場合、ここでは静止画で各選手の状況が
よくわかりますが、実際は一瞬で、全部のデータを
頭に入れ、それに基づいての判断は出来ません。
過去の膨大なデータからこの状況は行ける
と脳が一瞬で判断し、彼には、
「道が見えた」
「前が空いた」
「スペースが出来た」
というように感じられるのだと思います。
これ、すぐにそういう判断が出来る人は
センスがよいのでしょうし、いつまで経っても
そういう判断が出来ない人も多いです。
そして、多分、この種のことはサッカー、
バスケット等、いろんなスポーツであるだろう
と思います。
バレーのエースアタッカーなどは、打つ瞬間に
「あそこに打てば決まる」
という場所がブラックホールのように見えるのでは?
という気もします。
2021.3.2
相手の個々の能力を把握していることもありますが、
一瞬ですと、誰がどうやらわかりません。
10番の選手が過去の経験から「前が空いた」
と感じて前に出たとしても、Cの選手が相手
チームのエースでめちゃ足が早いとなると、
彼に潰される可能性があります。
エースという存在は攻撃でも守備でも、
各選手がこうだろうと思う水準の上を行くため、
スーパープレーを実現できます。
一方で、上記のような眼を持つ選手たちは、
今から追いかけても届かないということすら
すぐにわかるため、無駄な走りもしません。
「最後までちゃんと追わんか!」
というのは、全体的な体力維持を考えていない
アホ監督です。
届く可能性のある時に全力を出し、そうでない
時はいかに力を温存するかも選手の技量の内です。
ひたすら全力で走り回る選手など、ここぞという
時には役に立ちません。
そして、ゴルフ。
芝の状態や傾斜を逐一分析するのではなく、
過去の膨大なデータと目の前のグリーンの
状況を脳が一瞬で判断出来た時でしょう。
その時に、選手には「道」という感じで
見えるのかもしれません。
私が実際にラグビーで道が見えたと思った時は、
茶色のグランドの上が、一瞬、白っぽく光って
見えました。