で、彼。
授業中についつい居眠りをするという癖があり、
体育のあとのビデオ鑑賞なんて場合はほぼ100%
寝ていました。
給食の後の5時間目の授業も非常に危なかった
です。
そして、学年主任の先生が担当する美術の時間も
当たり前のように居眠りを。
実技ならともかく、美術の講義なんてそりゃ
眠くなります。
ねっ?
2人の催眠術師がいるかのようでしょ?
そのため、いつものようにうっかり彼が
眠りについてしまっていると急に静かに。
彼がその静けさにふと気付いて先生の方を
見上げると、
「ナ○さん、生徒会をやらんか?」
と、授業中に言われたんですね。
寝ぼけていて何が何だかわからないのもある
し、居眠りをしていたという引け目もあるし、
話の意味もよくわからないまま、彼は、
「はあ。」
とだけ、条件反射的に答えたんですね。
でも、これが「受託」ということになってしまい
ました。
2024.9.1
今考えても、居眠りの瞬間を捉えるというのは
ずるい方法でしたね。
寝ぼけているし、断ることもそりゃしにくいです。
一方で、「静かになって目覚める」というのは
どういうことか?
美術でも国語でもなんでもいいんですが、
先生の言葉が何かの旋律のように聞こえ、
気持ちの良い眠りの世界に誘われます。
そんな時に、突然、その旋律が途絶えると、
「はっ!」と目が覚めるんですね。
テレビを見たまま寝入ってしまい、家人が
テレビの電源を切ると、
「見とったのに」と目が覚め、また電源を
付け、やがてまた眠り出すのと全く一緒です。
ガタンゴトンと走行音のする電車の中で寝て
いて、それが止まる駅停車で目覚めるのとも
同様です。
ちなみにその学年主任の美術教師。
岡本先生と言いましたが、この方が作家の
吉川英治さんによく似てたんですね。
居眠りをしていたのにこんな笑顔で
「やらんか?」と言われれば、そりゃもう
断れないです。