「CR竜王伝説Z」のスペック上の母体はこちらの
「恐竜天国」のCR機版となります。
「CR恐竜天国V3」ですね。
「恐竜天国」は、構造物設計部署のチーフが
担当した機種です。
でも、彼はパチンコをほとんど打たないため、
センター役物だけに力を入れたセブン機とも
言えました。
構造物設計のチーフですので、当時としては
センター役物にかなりのコストをかけていました。
でも、「ただそれだけ」という内容であったため、
ほとんど売れなかったんですね。
で、お鉢が回ってきました。
「恐竜のセンター役物、めちゃめちゃ余ったから、
何とかしろ。単価も高いし。
そもそも他のパチンコ台に転用できないし。」
と。
当時はCRユニットもあまり普及しておらず、
現金機の方が売れる、CR機で売れたのは
「CR花満開」ぐらいという時代でした。
ですので、CR機でこれを売れというのは、
かなりハードルが高かったです。
そのため、考えたのは確変が認められたCR機
ですので、もっとも連チャンする可能性のある
スペックとそれに見合う遊技性の付加でした。
・確変突入7/22(プログラム上は1/3)。
・1,3,5,7,9は中図柄が2色あり、赤色で大当たり
すると以後、2回大当たりするまで確率変動。
2回の大当り中、確変図柄で当たればそこから更に
2回の大当たりが確定。
・緑色図柄で大当たりすると確率変動はなし。
・【キラキラザウルスリーチ】
通常のリーチ演出はカラーだが、白黒で演出が
始まると、1/2の確率で当たり、かつ、必ず確変
当たり。
非確変図柄で当たることはなく、
図柄の動き方も今までにない特殊なもの。
後々、このスペックがCR機の主流となりますが、
まだ市場には登場しておらず、将来の主流スペックの
先駆けでもありました。
そして、確変機では確変かどうかが一番の勝負所
ですが、このタイプでは確変図柄数が1/3ですので、
2/3は非確変図柄でのリーチになってしまいます。
そこで、中図柄の図柄数を工夫して、約1/2で
確変図柄でのリーチが発生するようにしました。
で、ここまで書くと、
「まるっきり、CR竜王伝説Zじゃん。」
と、思われる方も多くいらっしゃると思います。
ええ、言ってみれば、「CR竜王伝説Z」は
「CR恐竜天国V3」に積まれたエンジンや内装を
そのままに、外装だけを取り換えた機種だったんですね。
ですので、「ドラゴン伝説ZZ」にはなかった
演出が「CR竜王伝説Z」にはかなり搭載されています。
「CR恐竜天国V3」に搭載されていた
リーチアクションに合わせるために。
2021.6.13
「高確率で確変当たり確定」という機能を
盛り込んだのはこの機種が初めてです。
今は、プレミア演出に置き換わり、どんな
機種でも搭載されています。
「CR竜王伝説Z」では、「白黒ドラゴン出現」で
「確変当たり確定」となりましたが。
これは、「魚群リーチ」は熱いけれど、非確変で
当たってしまうこともある、これが確変当たり
確定だったらという所から出たアイディアです。
「ギンギラパラダイス」を研究していないと
出て来ないアイディアだったと思います。
「1/3図柄確変でも約1/2で確変リーチが発生」
という部分は特許を取得しています。
特許を取ったもののすぐに「CRコマコマ倶楽部V3」で
「再抽選」を自ら考案してしまったため、この特許は
儲かる特許とはなりませんでしたが。
でも、特許取得時の説明資料では「CR恐竜天国V3」の
図柄構成が使用されているため、母体がこちらで
あったことがわかります。
最終章は、何故、大ヒットしたのが「CR恐竜天国V3」
ではなく、「CR竜王伝説Z」になったのか?という
部分になります。
大ヒットも大ヒット、200億円を軽く超える売り上げ
でした。
そして、なによりも続く「CRコマコマ倶楽部V3」も
大ヒット&高稼働で、会社のブランド力を決定的に
したことが一番大きかったと思います。
その後、他メーカーは当社と販売時期が重なるのを
警戒し、新台というだけでホール側からも勝手に
受注が来るようになりましたので。
そのブランド力も数々の失敗機とともに霧散し、
今の状態があるわけですが。
今?
その会社の販売時期など、どのメーカーも
眼中にないと思います。