多分、「CR恐竜天国V3」はその会社にとって、
それまでで一番スペックが考えられたセブン機
だったと思います。
そして、それがためその後のCR確変機の王道を
行くスペックの先駆けの1つとなりました。
でも、「CR恐竜天国V3」は静電気に弱く、
払出が不安定になるというトラブルがあって
数百台で販売を中止してしまったんですね。
機械自体の反応はよく、このスペックにも注目が
集まっていたため、すぐに同一スペック機の開発に
乗り出します。
早期開発の方法は次の2つです。
①「CR恐竜天国V3」に静電気防止対策を
講じた上で「CR恐竜天国V4」とかの名で再販。
②同じく静電気防止対策を施した上で、
「CR竜王伝説Z」を新規開発。
「CR恐竜天国V3」のソフトがあり、「ドラゴン
伝説ZZ」の画像データを流用し、足りない演出
のみの追加で「CR竜王伝説Z」を開発は可能でした。
センター役物は「ピカイチ天国」で使用された
ものを塗り替えれば、新規に開発を立ち上げる
よりも短く済むということがありました。
そして、大掛かりな役物を採用した「恐竜天国」では、
必要となる「静電気対策」が難航を極めました。
私としては、「役物の設計者、何やってくれ
てんねん」ということもあったんですが、
選択肢は②しか残らず、「CR竜王伝説Z」が
世の中にリリース。
大ヒットとなり、稼働もつきました。
その会社のブランド力形成にも大きな影響を
与え、後継機もヒットし、会社は多大な収益を
上げました。
この機種単体で300億円近くの売上だった
と思います。
まあ、それはいいんですが、「CR竜王伝説Z」の
担当者が何で自分が全部やったような顔をし、何故
会社もそのように評価するんか?とは思いました。
「あんたがやったのはお化粧だけじゃん」と。
2021.6.22
あのスペック、とりわけ確変に絡む演出は自分が
必死になって考えた部分でもあり、大ヒットは
うれしいけど、そりゃ複雑な気持ちでした。
CR1/3確変2回ループは、
1993年 「CR球界王EX」(西陣)
1994年 「CR恐竜天国V3」
1995年 「CRバトルヒーローV」(大一商会)
1996年 「CR竜王伝説Z」
という登場順があり、「CR竜王伝説Z」は
静電気対策だけでなく、図柄構成の大変更もありで
2年余分に時間がかかってしまったんですね。
ですので、たらればですが、すぐに
「CR恐竜天国V3」の後継機をまず出し、
「CR竜王伝説Z」も別に進めていれば二度
おいしかったと思うんですよね。
どのみち、静電気対策はしなくっちゃいけないし、
恐竜の役物の在庫は残ってたわけですから。
まあ、どこかで何かあったなとは思っています。